日本の家庭から廃棄された中古品を売る店がタイで増えている。「高品質の日本製品が安く手に入る」のが理由。まだ使えるのに捨てられた物が、親日国タイで“第二の人生”を送っている。
色あせた洋服や食器、使いかけの液体洗剤、持ち主だった生徒名が書かれたままの絵の具セット-。日本からの中古品を専門に扱う首都バンコク郊外の店には、ありとあらゆる物が無造作に置かれている。店内はまるで倉庫のようだ。
茶碗(ちゃわん)が1個40バーツ(約120円)、女性用ブーツが1足250バーツ。食器棚を購入した主婦、ティチャーさんは「掘り出し物もあって、ほぼ毎日来る」と病みつきになっている様子だ。
「商品の入荷日には開店前に100人以上が列を作って待っている。『日本製』というだけで飛ぶように売れていく」。男性経営者のサニットさんが話す。
引っ越しなどの際に処分された不要品を買い取る愛知県と神奈川県の業者と契約しており、品物が詰まったコンテナが月に3回届く。