マイナス金利政策については、今年2月の導入以降、20年物国債の利回りが一時マイナスになるなどした結果、企業が超長期の社債で資金調達する動きや住宅ローン金利や企業への貸出金利が低下した。日銀は「企業や家計の資金調達コストの低下にしっかりとつながっている」(黒田総裁)と判断する方向だ。一方、金融機関の利ざや縮小や生命保険や年金の運用利回り低下が副作用として顕在化したことも分析する。
日銀の中曽宏副総裁は8日の講演で、総括的な検証に関し、「緩和の縮小という方向の議論ではない」と明言。黒田総裁も5日の講演で「マイナス金利の深掘りも、量の拡大もまだ十分可能」と追加緩和への意欲を示した。
市場では、「マイナス金利を0.1%から0.2~0.3%に拡大」「国債購入量を年80兆円から100兆円に拡大する」といった枠組み変更説が出ている。
黒田総裁は政策手段について「ベネフィット(効果)とコスト(副作用)の比較」を強調。特に「金融機関への副作用は深刻ではない。利益が減っても正常値の範囲内」と見る向きもあり、マイナス金利強化に踏み切る可能性もある。
一方、マイナス金利拡大とともに「国債の購入量を年80兆円から年70兆~90兆円に柔軟化」「国債買い入れの平均年限を7~12年から5~12年に拡大」する案も浮上するが、その場合は緩和縮小とみられない丁寧な説明が必要となる。