訴訟は、ワンセグ携帯を持っているが、テレビを所持していない埼玉県朝霞市議の男性が、NHKを相手取り起こした。放送法では、「(NHKの放送を受信できる)受信設備の設置」が、契約の要件となっている。NHKはワンセグ携帯を受信設備に当たるとして、これを所持することが設置に当たるとしたが、原告は「携帯しているにすぎない」と主張。地裁は8月26日、「受信契約の義務はない」とNHKの主張を退ける判決を下した。NHKは控訴し、籾井勝人会長は9月8日の定例会見で、「ワンセグも受像機の一つだ」と述べ、これまで通り徴収していく考えを示している。
ワンセグ放送とは、地上デジタルテレビ放送の一つだ。チャンネル1つの周波数帯域は、13に分かれた構造となっている。このうち、ハイビジョン放送に12セグメントを使う一方、携帯端末向けに1セグメントを割り当てられた放送がワンセグだ。「ガラケー」と言われる従来型の携帯電話や、OS(基本ソフト)にアンドロイドを使っているスマートフォンなどで視聴できる。また、一部のカーナビやパソコンでも見られる。
このように、ワンセグ放送を視聴できる環境にある人は少なくない。しかし、その上で世帯にテレビがなく、また、NHKに受信料を支払っている人の数は「限定的」(総務省幹部)と考えるのが普通だ。つまり、今回の訴訟の結果で影響を受ける人の数はそれほど多くないといえる。