女性や移民、イスラム教徒などへの差別的な発言で物議を醸してきたトランプ氏は、新政権の国連大使に女性のインド系移民、ヘイリー・サウスカロライナ州知事を起用すると発表した。22日にはメディアでの同氏批判の急先鋒だった米紙ニューヨーク・タイムズの本社を訪問。トランプ氏に批判的な勢力と融和姿勢に転じるのではないかともみられていた。
しかし、不動産王、トランプ氏のベースであるビジネス界にかぎっていえば、自己流を貫くつもりのようにもみえる。
新興企業の多いシリコンバレーは、伝統的にリベラルな政策や民主党を支持する空気が強い業界だ。実際、オバマ大統領もフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOらITトップと親交が深い。筆者は2014年まで産経新聞特派員として米国に駐在していたが、オバマ政権下でシリコンバレーはまさに我が世の春を謳歌していた印象が強い。
もちろん、やり手経営者が多いシリコンバレーには冷徹な「計算」も働いている。インド系など移民技術者が多い業界としては、オバマ政権とクリントン氏が不法移民の救済・受け入れ拡大を目指していたことは追い風となるからだ。
しかし、トランプ氏の方向はその真逆。不法移民の送還や入国管理の強化を掲げているだけに、業界には不安が渦巻いている。