
平成29年春闘を前に、安倍首相(左から2人目)は経団連の榊原会長(右から2人目)ら経済団体トップに賃上げを要請した=5日、東京都千代田区【拡大】
安倍首相は経済界に対し、29年春闘で「少なくとも28年並みの水準の賃上げを期待したい」とした上で、4年連続のベア実現も求めた。経団連はベアについて昨年よりも「踏み込んだ」(榊原定征会長)表現とし、歩調を合わせる姿勢を示した。だが、企業は将来の人件費上昇につながるとして、ベアには慎重だ。
労使とも29年春闘方針には、過去3年間の春闘の総括も盛り込んだ。連合は過去の白書で「経済の好循環の実現」を盛り込んでいたが、今年はこの表現を取りやめた。連合は29年春闘が「再びデフレの深い闇に舞い戻るかどうかの分水嶺」と位置付け、これまで以上に強い危機感で、交渉に臨む姿勢を明確にした。
一方の経団連は過去3年間、高水準の賃上げを実施したにもかかわらず、社会保険料の上昇などで賃上げ分が相殺され、消費に回っていないと分析。政府に対し、社会保障制度改革の断行を求めた。経団連の榊原会長と連合の神津里季生会長らは、来月上旬に会談し、29年春闘が本格スタートするが、労使交渉は例年以上に厳しいものとなりそうだ。