トランプ米大統領就任 「米国第一」通商摩擦の恐れ 過激発言に警戒感 (1/2ページ)

2017.1.23 06:34

就任式で演説するトランプ米大統領=20日、ワシントン(AP)
就任式で演説するトランプ米大統領=20日、ワシントン(AP)【拡大】

 ■生産体制再構築も

 トランプ米大統領の就任で日本経済にどんな影響が出るのか。新政権の積極財政で米国の景気拡大や円安ドル高基調が続けば自動車、電機など日本の輸出産業には追い風だ。ただ、期待先行の「トランプ相場」が剥げ落ちれば円高に反転する可能性も。「米国第一」の保護主義的な政策が深刻な通商摩擦を生む恐れがある。

 2015年の日本の米国向け輸出は15兆円超で、中国(香港を除く)を上回って輸出先では最大だ。直接投資残高も米国が最も多い。トランプ氏は大統領選時からインフラ投資や大型減税の導入を表明。そのため、市場では米景気が拡大し、世界や日本に好況が波及するとの期待感が膨らんだ。昨年前半は円高で苦しんだ日本の輸出企業も、トランプ氏勝利後の円安で一息ついた形だ。

 もっとも、経済政策をめぐり米議会との調整がスムーズに進むかは未知数だ。「今後は実行できる施策の限界が目立つのではないか」(日本政府関係者)との見方も強い。

 トランプ氏の過激な発言には警戒感が広がっている。「われわれの通貨は強過ぎる」。最近の米紙インタビューで製造業に不利なドル高の是正に動く意向をちらつかせ、「就任後も口先介入を続けるのでは」(国際金融筋)との疑念を生んだ。ドル高で中国など新興国の景気を支えた投資資金が米国へ流出。世界経済が不安定になり、安全資産とされる円が買われる展開も意識されている。

「保護主義的な政策で日本には次第にマイナスの影響が出てくるのではないか」

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