
2万ドルの大台を突破したニューヨークダウ平均を示すモニター=25日夜、東京・東新橋【拡大】
米ダウ工業株30種平均が史上初の2万ドルに乗せたことは、日本株にも追い風となりそうだ。昨年11月の米大統領選後に急激な円安・株高をもたらした「トランプ相場」が年明け以降は一服感を強めた中、トランプ米政権の下で米景気が加速するとの思惑が米ダウを大台へと押し上げた。市場の関心は、トランプ大統領が掲げる減税やインフラ投資など景気刺激策の中身に移っており、その行方が日米の株価を左右する。
「心理的に大きな節目を超えてきたことになり、日本株にもプラスの影響があるだろう」。米ダウの2万ドル乗せの影響について、三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストはこう指摘する。
日経平均株価の25日の終値は前日比269円51銭高の1万9057円50銭。大発会の1月4日には1万9594円16銭と、平成27年12月以来となる2万円台回復まで400円余りに迫ったが、その後は一転して一時1万9000円を割り込むなど足踏みが続いた。米ダウが2万ドルをようやく突破したことで、東京株式市場でも投資家心理の下支えになるとの期待が高まる。
日本株は年明け以降は調整局面に入ったが、先高観は根強い。主要企業では今年度の想定為替レートを1ドル=105円前後に設定する向きが多く、トランプ相場で進んだ円安を踏まえて業績予想が上方修正されれば、株価押し上げにつながる。また、来年度も「企業業績は過去最高益の更新が見込まれている」(大和証券グループ本社の日比野隆司社長)と好環境にある。