国土交通省が21日発表した平成29年の公示地価(1月1日時点)は、昨年4月発生した熊本地震の被災地で下落が目立つ。住宅地の熊本県平均は、昨年のプラス0・1%からマイナス0・1%に転落した。全国では、東海地震による津波被害が懸念される静岡県でも大幅な下落がみられ、地価に影響を及ぼす災害リスクが改めて浮き彫りになった。(山沢義徳)
熊本県では、家屋3千棟以上が全壊した益城町の地価が大幅に下落。住宅地は前年と比較可能な3地点が最大で6・9%下がり、商業地も6・2%下落した。
同町は近年、熊本市に隣接するベッドタウンとして人口増が続いていたが、総務省によると、昨年は全体の約4%に当たる1300人余りが町外へ移った。
地元不動産業者は「熊本空港や九州自動車道のインターチェンジが立地し、潜在力は高い。昨年12月策定された復興計画の本格化に期待したい」と話す。「仮設住宅が入居期限を迎える来年以降、土地取引が活発化するだろう」というのが国交省担当者の見方だ。
これに対し、熊本市は住宅地がプラス0・3%、商業地が同1・1%と上昇を保った。同市は政令指定都市となった24年以降、活発な企業進出を背景にオフィスビルの不足が目立っていた。地震被害が比較的軽かったことに加え、実需が地価を支えた形だ。
一方、静岡県では焼津市沿岸部の石津港町が住宅地としてマイナス7・8%と下落幅が全国4位だった。