小曽根真×真山仁対談

(上) コロナ禍だからこそ伝えたいことがある (1/3ページ)

SankeiBiz編集部
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 ジャズピアニストの小曽根真さんと小説家の真山仁さんという意外な2人の対談が実現した。2人はともに神戸に縁があり、しかも、同世代。音楽、小説、そして人生を忌憚(きたん)なく語り合った。

 緊急事態宣言中続けた生ライブ配信で甦った若き日

 真山仁(以下:真山) 小曽根さんは、コロナ禍の中で、いち早くFacebookを通じて、自宅からライブ配信を始めました。しかも、毎晩。

 小曽根真(以下:小曽根) コロナ禍が深刻な状況のアメリカで、僕の友人であるチック・コリアやボブ・ジェイムズらが、インターネットライブを行い、ロックダウンで不自由を余儀なくされた人や医療従事者にエールを送りました。それを知って、いずれ日本でも同じ事態が起きるだろう。その時は、僕もやろうと思っていました。

 真山 小曽根さんは、やるならできるだけ良い音で届けたいと思われたとか。

 小曽根 自室にステレオマイクを立てて、そこから音を拾って配信しようと考えました。そして、1度目の緊急事態宣言が発令された2日後の2020年4月9日午後6時ごろから、テストとして20分ほど演奏して配信してみたんです。

 真山 予告もされなかったのに、約700人の方が視聴したとは、凄い!

 小曽根 僕も驚きました。そして、視聴された方から、「音が凄く良かった」というメッセージもいただき、つい「じゃあ、明日もやりましょう」と言ったところ、盛り上がってしまって……。

 真山 結局、ライブ配信は、宣言が解除された5月24日を越えて、5月末まで続きました。音楽家として、音楽でエールを送ろうとするだけでも尊いんですが、毎日同じ時刻に続けられたことに感動しました。過去に、経験はあったんですか。

 小曽根 初めてです。ライブ配信を続けるうちに、デビュー前、大阪のホテルのラウンジで、週6日、毎晩4セットピアノ演奏するアルバイトをしていた頃を思い出しました。さらに同じ頃、大阪市内のスナックで、客のリクエストに応えて伴奏したこともあったなと。いずれも、とても楽しい経験でした。それは多くの方が、目の前で僕の演奏を喜んでくれたからです。あの時、ピアノを弾く意味と楽しさを教わったんだと、Facebookでの 53日間のライブで噛みしめていました。

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