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【クルマ人】びっくり…どういう人選? 軽「N BOX」にF1エンジン開発者が挑戦
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ホンダの新型軽自動車「NBOX」と開発責任者の浅木泰昭さん ホンダが昨年12月に発売した新型軽自動車「N BOX」。エンジンやプラットホームなどすべてを一新して開発したNシリーズの第一弾だ。年内にはシリーズ第2弾も売り出す。発売1カ月で約2万7000台の受注を獲得し、スタートダッシュを決めた。本田技術研究所四輪R&Dセンターの浅木泰昭(53)主任研究員に開発にかけた思いを聞いた。
「1981年にホンダに入社して1年もたたないうちに、F1のエンジンテストをやることになった。その後は、北米市場をメーンにV6エンジンの開発をやった。20年ぐらいエンジンの開発に携わってきた」
「びっくりしたし、どういう人選なんだろうという思いはあった。今にして思えば新しい血を入れたかったのかなと思う」
「アメリカでアメリカ人向けの車種を作っていたころは、アメリカ人によく話を聞いた。アメリカ人ではないから、その気持ちが客観的にわかるというところもある。今回も同じように、軽自動車に乗る女性のを、よく知るために話を聞いた。タントやパレットのお客さんなどに聞いて、自転車を乗せやすい後部ドアの高さはどれぐらいかなどを検証した」
「子育てファミリーや女性がターゲットだが、主婦層は旦那さんのことも気にする。かわいすぎるデザインの車だと、旦那さんが乗りづらいので、その辺りを意識したシンプルなカラーにしている」
「新しく開発する前に、NBOXよりも天井の高さが低い『ライフ』の車台を使って、NBOX並みの高さの車を作れないかを検討した。そもそも軽から撤退すべきではないかという話もあったが、工場や販売店にもとんでもなく大きな影響が出るということで続行することになった。軽をやめられないのはわかったが、もうけが出る態勢に変えないといけないので、工場の在り方や研究の在り方も含めて変えていった」
「これまでは、生産コストや研究コストをかけすぎていたのではないかということで、軽でもうかるなら、ほかの車種でももうかるという考えで始めた。主力車種のアコードやシビックは生産台数が多いので、工場のラインが1車種で埋まり、生産効率が良い。しかし、生産台数の少ない軽は、1つのラインに別の車も流れる。Nシリーズとして年24万台を生産すれば、1つのラインを埋めらる。そういう車を目指した」
「エンジンやトランスミッションが共通で、ボディーの骨格部分や燃料タンクなどを含め、車を下から見ると同じという感じだ」
「車内の空間を広くするためにアクセルペダルを70ミリ前に出したが、そのためにはエンジンの前後の幅を小さくする必要があった。事故で衝突した場合、燃料のないところまではつぶれても良いような構造にしてある。エンジンをある種の車体の補強材として考えている」
「制限があるから、技術で逆転できる。NBOXの広さに他社が追いつくためには、エンジンやトランスミッションなどパワープラントをすべて作り直さないといけない。その間に、Nシリーズで軽の勢力地図を塗り替えようと思っている」
「バルブがたくさん開いて空気が入れられるように、F1のエンジンでも使われているロッカーアームやV6エンジンに使われているハイドロリックアジャスターを使っている。部品代は少し高くなったが、トータルの製造コストは変わっていない」
「10年11月ごろに行った全国の販売店向けミーティングの際に、NBOXのモックアップ(模型)を見せたところ、『早く出してくれ』という声が相次いだため、伊東(孝紳)社長の命令で発売を前倒しにした」
「震災で被害を受けた四輪R&Dセンター(栃木県芳賀町)で図面が書けなくなったので、200人の設計者が鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に移った。けがの功名だが、これまで離れていた製作所と開発の距離が近くなったおかげで、前倒しができたというところはある」
「東日本大震災からのリカバリなどで部下にも苦労をかけたので、内心ほっとしている」
「背高ワゴンに続いてもう少し背の低いワゴンタイプなど売れ筋のラインアップを検討するが、もうからないスポーツタイプに出て行くべきだろうかという議論はある。売れ筋でもうからないと、難しいかもしれない」