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【クルマ人】新型「ゴルフ」は実燃費重視 ライバルは「プリウス」か
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フォルクスワーゲンの新型「ゴルフ」 フォルクスワーゲン(VW)グループジャパン(愛知県豊橋市)は主力車種の「ゴルフ」を4年ぶりに全面改良し、6月25日に発売する。7代目となる新型ゴルフは、1200ccエンジンを搭載したモデルで歴代ゴルフで最も低燃費となるガソリン1リットル当たり21・0キロを実現した。価格は249万円からとし、小型車の人気が高まる日本市場での販売拡大を狙う。
新型ゴルフの特徴や、日本車が圧倒的なシェアを占める国内市場での今後の戦略について、庄司茂社長に聞いた。
「使える安全技術は、できるだけオプションにしたくない。先進的な安全技術を、価格に関係なく付けていこうと考えている。新型ゴルフには、前方の障害物を検知し、緊急ブレーキを作動する『プリクラッシュブレーキシステム』を標準装備した。国産車がようやく目を向け始めているところで一歩先をいきたい」
「共通化は、高級車用の部品を民主化するということだ。先進装備が標準化されていることは目に見えるメリットだ。軽量化されて環境性能は上がっても、ボディーがヤワになったかということはなくて、安全性は向上した。『コストダウン』ということだと見えない部分を外すということが多いが、フォルクスワーゲンは、システマチックに効率化していき、結果的にコストがさがるということを目指している。より良いものが、リーズナブルに提供できるようになる」
「思い切った価格設定としているが、価格を低くすれば多く売れるというものではない。微妙なかじ取りが大事だ。一番反応のいい価格をつけることができるかという考え方で、考えに考え抜いた。お客さんが一番反応しやすい価格だと思う」
「今までとターゲット層はかわらない。購入者の年齢は40代、50代が中心で男性が7割くらいだが、顧客層を広げるようなアプローチを取っていこうと思っている。車に何かの思い入れを持っている人。そういった考えを持っている方にアプローチしていきたい。個人的には女性にもっと乗ってもらいたい。乗っていて安心な車だからだ」
「トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)『プリウス』というのは、現場レベルでよく聞く。フォルクスワーゲンは『輸入車』という枠のなかで戦っていてもゴールには届かない。国産車を買っていたお客さまにどうふり向いてもらうかが課題だ。選択肢の一つとして、『ゴルフもみてみよう』と検討してもらうような活動をしていく」
「まだまだ知名度は低い。店舗機能の強化、アフターサービスの施設の強化などをしていく。今、地方でのイベントなど、輸入車とは思えない地道な活動をしている。それがじわっと効果が出てきている」
「外国製品に対する心的なバリアは下がっていると感じている。携帯電話もパナソニックやNECから今は韓国のサムスン電子が売れたりする。輸入品に対する拒絶感もじわじわと下がっているのではないか」
「あの手この手を使って燃費を高めている。国産車はカタログに書いてある燃費と実燃費があまりにも乖離しているが、フォルクスワーゲンはお客さまに実燃費で満足してもらうことに重点を置いている」