ニュースカテゴリ:企業
経営
日商・岡村会頭 消費増税・TPP、現場主義で徹底議論
更新
2007年11月に第18代日商会頭に就任した岡村正氏は就任会見で「個が光るイノベーション」を提唱し、推進のために「現場主義」を標榜(ひょうぼう)した。地域や会社規模で異なる全国の514会議所の意見集約は容易ではないが、徹底した議論を通して意見を集約しなければ難題は解決できないという判断だった。
現場主義は遺憾なく発揮された。消費税率の引き上げでは全国で100回に及ぶ説明会を開き、増税やむなしの結論を導いた。地方の会議所を中心に反対論が根強いTPPへの参加でも70回を超える説明会で支持を求めた。東日本大震災で発生2週間後に被災地に飛び、現地を見たうえで全国の会議所から復旧に必要な遊休機械を集めて被災地に無償提供した。
岡村氏が真価を発揮したのは昨年9月の経済3団体による原発再稼働を求める共同会見。当初は経団連と日商だけの予定の会見に「経済同友会がいなければ意味がない」と主張し、経済界が一丸となって原発再稼働を求めていることを印象づけた。
常に沈着冷静な岡村氏が感情を爆発させたのは今年9月、2020年東京五輪の誘致決定の瞬間だ。国民支持率の伸び悩みで失敗した16年を教訓に、今回は「絶対に呼び込みたい」と決意。五輪選手を呼んでPRイベントを開き全国の交通機関と連携しポスターを20万枚貼った。
中小企業の生き残りには情報化による創業支援と海外展開が欠かせない。アベノミクスで中小企業の景況感は回復しつつあるが、業績が苦しい企業も少なくない。賃上げも人材確保のためにやむなく行っているところもある。岡村氏がことあるごとに強調した「中小企業のイノベーション(終わりなき自己革新)」は三村次期会頭へと引き継がれるはずだ。(早坂礼子)