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インド製薬ランバクシー 安全性の確立でつまずき
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インド製薬最大手のランバクシー・ラボラトリーズが、安全性の確立に苦慮している。現地紙タイムズ・オブ・インディアなどが報じた。
同社は今年9月、米食品医薬品局(FDA)から適正な製造基準に達していないとして、インド北部ハリヤナ州のモハリ工場で製造する医薬品の輸入禁止措置を受けた。
この直後に米国東部ニュージャージー州のオーム工場も製造過程に問題があるとしてFDAの監視下に置かれたこともあり、インド国内では同社の経営に対する懸念が拡大。人員削減の観測も出始めた。
インドにあるランバクシーの工場で輸入禁止措置を受けたのは2008年のパオンタ・サヒブ工場、デワス工場に続く3カ所目となる。モハリ工場は11年に操業の認可を受けた最新工場だけに、輸入禁止措置は株式市場にも驚きをもたらし、ムンバイ市場での同社の株価は一時30%を超える大暴落となった。
モハリ工場は、スイス製薬大手ノバルティスファーマの高血圧症治療薬「ディオバン」の後発薬を米国向けに生産する予定だった。
また、オーム工場を含めた2工場は過去3年間にランバクシーが米国で行った新薬の承認申請36件のうち半数以上を担当するなど、将来的に同社の全事業の75%を支えると期待されていただけに、今回のトラブルは経営にも打撃になるとみられている。
同社は今年5月、医薬品の安全性に関わる違反を認め、米国政府に対して5億ドル(約490億円)の和解金を支払うことで合意したばかり。今回の輸入禁止措置と監視措置で再出発にいきなりつまずいた格好だ。
現地紙ヒンドゥスタン・タイムズは、関係者の話として、ランバクシーが現在1万4600人の従業員の10%を1年以内に削減する方向だと報じた。これに対し、同社は「3カ月以内だろうと1年以内だろうと人員削減は行わない」との声明を発表するなど火消しに追われた。
ランバクシーは08年に第一三共が46億ドルを投じて株式の64%を取得し、子会社化した。今年1~6月期の連結売上高は欧米の需要減や通貨安の影響などで前年同期比25%減の507億3000万ルピー(約806億円)だった。安全性への懸念を払拭して再出発を軌道に乗せられるか、同社の動向に注目が集まっている。(ニューデリー支局)