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インド ファストフード急拡大 中・小都市へ波及、16年までに規模倍増

ニュースカテゴリ:政策・市況の海外情勢

インド ファストフード急拡大 中・小都市へ波及、16年までに規模倍増

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 インドでファストフード市場の急拡大が続いている。地場調査会社クリシルによると、同国のファストフード市場の規模は2016年までに700億ルピー(約1120億円)となり、現在の340億ルピーから倍以上に拡大する見通しだ。現地紙インディアン・エクスプレスなどが報じた。

 市場拡大を後押しするのは外国勢中心の各ブランドによる地方進出。現在、インド国内のファストフード店舗は75%が8大都市(デリー、ムンバイ、コルカタ、バンガロール、アーメダバード、ハイデラバード、プネ、チェンナイ)に集中し、それ以外では25%にとどまる。

 同国のファストフード市場は1996年に米ハンバーガーチェーンのマクドナルドが初出店して以来、所得増や食生活および生活習慣の変化などを受けて8大都市で急拡大した。今後は、この動きが中・小規模都市へと波及するとみられている。

 クリシルによると、インドでは16年まで毎年16~18%の勢いでファストフード店舗の増加が続き、このうち約半数は8大都市以外の中・小規模都市への出店となる見込みだ。同社幹部は「8大都市以外でも所得増が進み、核家族や働く女性が増える」と述べ、地方進出が加速するとの見解を示した。

 また、現在インドのファストフード市場の消費額は83%を8大都市が占めるが、クリシルはここでも中・小規模都市の追い上げを予想。消費者がファストフードに費やす年間消費額は、8大都市で現在の3700ルピーから16年に6000ルピーへと約60%増える一方、中・小規模都市では1500ルピーから3750ルピーの2.5倍増となり、伸び率で8大都市を大幅に上回るという。

 現在、同国で人気が高いファストフードはピザ、ハンバーガー、サンドイッチで、全体の8割を占める。

 店舗数でのシェアは、約500店を展開する米ピザチェーンのドミノピザが20%で首位。以下、米サンドイッチチェーンのサブウェイが12%、マクドナルドが11%と続く。

 各ブランドはマクドナルドが宗教事情を考慮して商品から牛肉や豚肉を排除したほか、サブウェイもベジタリアン(菜食主義者)メニューの専門店を出店するなど、顧客獲得を目指し現地化でもしのぎを削っている。

 クリシルは今後の市場展開について、競争激化や景気低迷で8大都市の既存店の中には苦戦店舗が出るとしながらも、全体の市場拡大傾向は変わらないと予想している。(ニューデリー支局)

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