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日本郵政、3年間で1.3兆円投資 上場に向け経営基盤を強化

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日本郵政、3年間で1.3兆円投資 上場に向け経営基盤を強化

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 日本郵政は26日、2014~16年度の中期経営計画を発表した。3年間で総額1兆3000億円を投じ、老朽化した郵便局の改修や情報システムの刷新、ネットワークの高度化などを進める。15年春以降の上場に向け、大型投資に踏み切ってサービスを向上させて経営基盤の強化を図り、民間企業との競争に備える。

 郵便局の改修などには5500億円を充てる。郵便事業の経営環境が厳しいことから設備の更新を先送りしてきたが、設置から30年を超えるエレベーターが全体の3分の1近くあるほか、局舎の雨漏りが年間で約300件起きるなど、老朽化の弊害で顧客サービスに影響が出ていた。3年間かけて順次改修する。

 また、郵便の管理に使う情報システムの刷新などに4900億円、郵便・物流ネットワークの高度化に1600億円を投じる。さらにグループが保有する不動産の資産価値の向上を図るため、不動産開発に1000億円を充てる。

 日本郵政はこれらの投資を収益力の強化につなげ、中期経営計画の最終年度に当たる16年度に3500億円の連結最終利益の確保を目指す。

 中期経営計画には金融事業の収益向上策として、かんぽ生命保険が4月に発売する学資保険の新商品の拡販も盛り込んだ。郵便事業では、小型運送サービス「ゆうパック」の取り扱いを13年度見込みの4億1300万個から5億個に拡大するほか、配達サービス「ゆうメール」は32億1300万個から40億個に伸ばす。

 ゆうちょ銀行は16年度末の総貯金残高について、13年度度末見込みの177兆8000億円から6兆円増やし、183兆8000億円を目指すとした。住宅ローンなどの新規の融資業務は金融庁の認可のめどが立たないことから、計画に盛り込まなかった。

 都内で記者会見した西室泰三社長は「世界にも類をみない郵便局ネットワークで、郵便局を通じたトータル生活サポート企業を目指す」と述べた。上場計画については「来年春までに準備をし、いつでも上場できる態勢にする」と、従来の方針を改めて説明した。

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