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日本車メーカー、メキシコに相次ぎ生産拠点 低関税&人件費が魅力
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開所式後、マツダの山内孝会長(左から2人目)はメキシコのペニャニエト大統領(同3人目)に記念のデザイン画を手渡した=2月27日、メキシコ中部グアナフアト州のサラマンカ 日本の自動車メーカーが、輸出拠点のモデルケースとしてメキシコに熱い視線を送っている。米国と隣接する地理的利点に加え、広範囲な国と結ぶ自由貿易協定(FTA)で関税が抑えられ、人件費も割安だからだ。現地では、雇用の受け皿となる自動車産業の投資に期待感が高まっている。
乾いた大地にサボテンが点在するメキシコ・グアナフアト州のサラマンカ。2月27日昼(日本時間28日未明)、マツダの新工場の開所式が行われた。式典では「サラマンカの地名をサラ『マツダ』に変えたほうがいい」(同州のミゲル・マルケス知事)などと、マツダの進出を歓迎する声が相次いだ。
新工場は生産能力14万台、従業員数3100人で立ち上げたが、2015年度にも23万台、4600人までそれぞれ増やす。その大半が地元雇用で、来賓のペニャニエト大統領は「メキシコの若者に大きな雇用の機会を提供してくれた」と謝意を示した。
マツダは日本からの輸出台数比率が7割を超えており、歴史的な円高のあおりで12年3月期まで最終損益が4年連続で赤字になるなど苦戦が続いた。山内孝会長はこの日の記者会見で、「円高のたびに苦しめられたあの思いをもう繰り返したくない」と新工場建設に踏み切った思いを語った。
メキシコをめぐっては、ホンダが2月21日、同州で第2工場を開設した。既存工場を含め生産能力を年26万3000台まで高め、米国で販売する車の95%以上を北米で生産する体制を整える。
日産はメキシコを「日本とともに世界の輸出拠点」(カルロス・ゴーン社長)と重要視しており、昨年11月に3カ所目の工場を稼働させた。年間生産能力は計約87万台で、欧米など約100カ国に輸出している。
メキシコで自動車工場の建設ラッシュが続くのは、高いコスト競争力が背景にある。マツダによると労働コストはタイと同レベル、米国の8分の1程度にとどまる。また、賃金上昇のスピードも新興国のなかでは緩やかだという。
さらに、メキシコは北米や欧州、中南米など世界40カ国以上とFTAを結んでいる。例えば米国なら、一定の現地調達率を満たせば日本から自動車を輸出する際に課せられる2.5%の関税がかからない。
こうした優位性を生かして、メキシコは自動車生産の約8割(242万台、13年)を輸出する世界4位の輸出大国となった。
ただ、過度な輸出依存は危うさもはらむ。輸出の約7割を占める米国の経済が低迷すれば大きな打撃を被るのはもちろん、ブラジルやアルゼンチンがメキシコからの輸入制限を設けるなど、南米で広がる保護貿易のあおりも受けている。
日本貿易振興機構(ジェトロ)の中南米担当者は「対米輸出一辺倒だとリスクが高い。輸出先を多角化し、メキシコ国内での販売シェアも伸ばす努力が必要だ」と指摘している。(サラマンカ 田辺裕晶)