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事件・不祥事
関空「安全神話」に陰り? 窃盗事件の認知件数が2年で倍増
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年末年始の出入国者数が開港来最多を更新するなど業績好調の関西国際空港で、「安全神話」に陰りが見え始めている。ベンチで仮眠を取り夜を明かしても犯罪被害に遭わない治安の良さが早朝・深夜便の需要拡大を支えてきたが、窃盗事件の認知件数はここ2年で倍増。大阪府警は「空港利用が拡大するなか、警戒態勢の強化が不可欠だ」と危機感を強めている。
深夜2時の関空第1ターミナル。ベンチには案内センターで毛布を借りた利用客が一列ごとに横になり、寝息を立てる。新関西国際空港会社によると、24時間営業している同空港内で夜を明かす旅行客は平成25年11月の1カ月間で約3100人に上り、2年前の同期(約300人)に比べ10倍以上に増えた。
深夜・早朝に発着が多い格安航空会社(LCC)の増便が進むにつれ、拡大の一途をたどる「ベンチ泊」。25年までの3年間で、仮眠する利用客の荷物を狙った窃盗犯罪は1件のみという治安の良さも、LCCの利用増に寄与してきた。
しかし府警関西空港署によると、昨年1年間の窃盗事件の認知件数は82件となり、23年の41件から倍増。特に目立つのはトイレなどでの置引で、23年の16件が24年は28件、25年は39件と増え続けている。
こうした状況を受け、関空署は昨夏以降、空港内の巡回態勢を強化したほか、置引の被害連絡を受けた場合の対応も変更。従来は交番勤務の警察官のみで状況確認などにあたっていたが、重大事件の発生時と同様、所属の課を問わず10人程度の署員を現場に一斉投入するなどし、初動捜査の徹底を図っている。
同署幹部は「ほかの地域に比べ犯罪が少ないとはいえ、軽微な事案の増加を放置すれば治安の悪化につながりかねない。厳しい姿勢で摘発を進めていく」と話している。