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3Dプリンター、将来は一家に一台? 何かが始まる予感

ニュースカテゴリ:暮らしの余暇

3Dプリンター、将来は一家に一台? 何かが始まる予感

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 昨今テレビCMでも見かけるようになった3Dプリンター、紙でなく物体をコピーできたり、データから直接立体作品を作ったりできるそうだが、注目度が高いわりに、工業用以外で何に使うのかよくわからない。

 思えば、二十数年前、将来パソコンが一家に一台の時代が来ると言われたときも、ピンとこなかった。家でコンピューターなんて何に使うんだ、まさかそんな本格的なものが家に来るはずないと思ったら、今ではすっかり、なくてはならない家電のひとつになっている。

 3Dプリンターも、そのうち家にやって来るかもしれないので、今のうちに、打ち解けておこうと思う。

 というわけで、3Dプリントサービスを行っている東京・渋谷の「しぶや図工室」(http://shibuya.abbalab.com/)に伺った。

 繁華街にほど近いオフィスビル。シェアスペースとしても利用されている室内に入ると、広い作業台がまっ先に目に飛び込んでくる。その横には箱形のプリンターが何台も。まさに図工室という感じの雰囲気だ。

 プリンターは材料によって機械も異なり、樹脂ならばソフトクリームのようにうねうねと練り上げ、金属ならば粉に火花を当てて溶かしつつ作る。他にもプラスチックや、ゴム、ナイロン、石膏(せっこう)などさまざまな材料に対応している。

 取締役の平本知樹さんに3Dプリンターの今後の展望について尋ねてみると、今は、これを使って何ができるか、みんなが考えている段階だそうだ。

 おお、そうなのか。みんなもわかっていないらしい。

 それでも注目度は高く、しぶや図工室主催のワークショップ(有料)には、若者や企業人だけでなく、親子連れやお年寄りまでやってくるそうだ。毎週大阪から夜行バスで通うおばあちゃんまでいるというから驚いた。いったいみんな、何を企(たくら)んでるんだ。

 聞けば、みなそれぞれ、好きにやっているとのこと。

 家族のフィギュアを作る、自分の手をスキャンしてフォークにする、お気に入りの湯呑(の)みに自作のオブジェを合体させて新しい湯呑みを作る、ペットをスキャンしてぬいぐるみにできないか試すなど、やりたい放題。

 なんだ、使い道決まってないのかよ、とここで思った人は残念な人である。決まってないからこそ、面白いことができるチャンスなのだ。すごいアイデアを思いつけば、ビジネスにだってなるかもしれない。

 私も考えてみた。たとえば自分の足をスキャンして、ぴったりのサンダルを作るなんてどうだろうか。

 何かが始まりそうな予感がぷんぷん漂ってくる3Dプリンター。今は、何をすれば面白いか考えるのが面白いという、一番自由で楽しい段階にあるようだ。

【プロフィル】宮田珠己

 みやた・たまき 昭和39年、兵庫県生まれ。旅行やヘンなものが好きなエンタメ系ノンフィクション作家。著書に『ときどき意味もなくずんずん歩く』『だいたい四国八十八ヶ所』など。

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