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社会
次の台風接近 伊豆大島、捜索と二次災害対策急ぐ
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台風26号による土石流で甚大な被害を受けた伊豆大島(東京都大島町)では10月18日、生存率が著しく下がるとされる「災害発生から72時間」が迫る中、安否不明者の捜索が続いた。町や都、国土交通省は19日から予想される雨や来週半ばにも日本列島に再び接近する恐れがある台風27号に備え、二次災害対策も急ぐ。また政府は、台風26号で「特別警報」が出されなかったこと受け、発表方法の見直す方針を固めた。
警視庁や町によると、新たに3人の死亡が確認され、死者は25人となった。うち18人の身元が判明した。21人がなお安否不明となっている。
トラックや重機約50台を積み込んだ海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」が現地に到着し、陸揚げされた。捜索の障害となっているがれきの撤去に当たるなど復旧活動が本格化する。
伊豆大島では19日夜から雨が降ると予想され、土砂が完全に崩れきらずに不安定な状態になっている場所があることから、気象庁は少ない雨でも二次災害が起きやすいとして警戒を呼びかけた。また、大雨注意報や警報、土砂災害警戒情報を発表する基準を当分の間引き下げることを決めた。
気象庁によると、台風27号は18日午後6時現在、マリアナ諸島近海にあり、勢力を強めながら、日本列島に接近しつつある。26号とほぼ同じ進路をたどっており、24日にも伊豆大島に接近する可能性がある。
古屋圭司防災担当相は記者会見で「台風27号が来る可能性があるので、それまでに応急措置をして二次災害が起きないように万全を期す」と強調した。
二次災害に備え、大島町は18日、今後想定される被害や避難所の選定、避難者の輸送方法などについて協議。川島理史(まさふみ)町長は会見で、「19日夕までに避難勧告を出す方向で対策を進めている」と述べた。
都は神達(かんだち)地区と元町地区の2カ所に縦横1メートルの土嚢(どのう)を積み上げて沢の流れを確保する緊急対策工事を開始。国交省は新たな土砂崩れに備え、監視カメラを設置し、町と連携して二次災害の恐れがある地域を調べた。
一方、特別警報の見直しでは、広域を前提とした現行の運用を改め、今回のような島嶼(とうしょ)部など局地的な災害でも警戒を呼びかけやすくする。年内にも見直し案をまとめる。
気象庁が特別警報を出す場合、大雨が「府県程度」の広域にわたるという基準を満たす必要がある。しかし、伊豆大島の場合、周辺の海上に観測点がないため詳しい雨量測定ができず、気象庁は範囲の広がりがないと判断し特別警報を発表しなかった。
この対応について、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は18日の会見で「現行の改善は不可欠だ」と述べた。太田昭宏国土交通相は「特別警報に相当する雨をどういう形で知らせるかは非常に大事な検討課題。特に島嶼部に対し、どういう表現で伝えるか、極めて重要だ」と指摘した。
気象庁の羽鳥光彦長官は17日、警報と特別警報の中間的な情報の出し方を検討する考えを示していた。(SANKEI EXPRESS)