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戦う姿に勇気 東北の願い届いた

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戦う姿に勇気 東北の願い届いた

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 東日本大震災以降、東北に本拠地を置く球団として被災地とともに歩んできた楽天が11月3日、日本一を懸けて巨人との日本シリーズ第7戦に臨んだ。2005年の創設1年目は、「弱すぎる」とも酷評されたが、9年かけて日本一を争うまでに成長した姿に、被災者はわが身を重ね、仮設住宅や避難先から祈るように声援を送った。

 選手は「家族」

 津波で壊滅的な被害を受けた仙台市若林区。約130世帯300人が暮らす仮設住宅では、多くの住民が自宅のテレビで決戦の行方を見守った。

 震災で妻を亡くした無職、寺島市雄(いちお)さん(85)は、今季の楽天について、「ここまで戦ってくれただけでもありがたい。大したもんだ」と、健闘をたたえた。寺島さんが約4カ月、避難生活を送った近くの市立六郷中学校には、震災直後の11年4月、星野仙一監督(66)がコーチと訪れ、「皆さんを勇気づけに来たつもりだったが、逆に皆さんから元気をもらった。それを糧にがんばって優勝したい」と話した。「星野監督の言葉やこれまでの楽天のがんばりが励みになっている」と、寺島さんは言う。

 同じ中学校に避難していた主婦、友田紀子(のりこ)さん(66)も、「被災地を回ってくれた選手を見て、家族みたいに思うようになった。今日も息子が戦っているような気持ちで応援している」と、声援を送った。

 次は僕たちが…

 宮城県石巻市の家が津波で流され、避難先の体育館で選手たちと交流した経験がある小学3年、鈴木太陽君(8)は、再建した自宅で父親の良徳さん(49)と一緒にテレビ観戦。選手からもらった帽子をかぶり、「がんばれー」と声をからした。小山伸一郎投手(35)に頭をなでられ、「野球がんばろうな」と交わした約束は今もはっきりと覚えている。

 昨年7月には、Kスタ宮城で開催された楽天対ソフトバンク戦で始球式を行うという大役を務めた。今は、良徳さんが監督を務める少年野球チームに所属し、「もっと練習してうまくなりたい。次は僕たちが強くなる」と目を輝かせた。

 親族4人が震災で亡くなった宮城県東松島市大曲の中学1年、桜井悠君(12)も震災の約1カ月後に避難所だった市立大曲小学校を訪れた選手の野球教室に参加した経験がある。選手とキャッチボールし、嶋基宏捕手(28)からは「俺たちもがんばるから、お前たちもがんばれ」と声をかけられた。

 「選手たちが避難所で言った言葉通りに最後まであきらめずに戦ってくれてうれしい」。嶋選手からもらった愛用のバットで素振りを繰り返しているといい、「これからもずっと楽天のファン。今度は僕が成果を出したい」と力を込めた。(SANKEI EXPRESS

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