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本邦初! 米・仏最高ランクのメルロ競演 青木冨美子
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米カリフォルニアのダックホーン・ワイン・カンパニー、ピート・プリジビリンスキー上級副社長(右)とビル・ナンカロウ・チーフワインメーカー=2013年11月16日、東京都中央区(青木冨美子さん提供)
仏ボルドー地方ポムロール地区の『シャトー・ペトリュス』は愛好家のみならず、醸造家にとっても特別な存在です。独特の青色粘土質土壌から栽培されるメルロ種からは長熟で奥深いワインが生まれます。価格も破格なので、語られることの方が多いワインです。その偉大なワインの1995年と2004年、ラ・フルール・ペトリュス2008年の3ビンテージをそろえて、ブラインド・テイスティングを計画したのがカリフォルニアのダックホーン・ワイン・カンパニーと輸入元の中川ワイン。日本橋『ポンドール・イノ』で、来日したピート・プリジビリンスキー上級副社長とビル・ナンカロウ チーフワインメーカーを囲み、財界関係者、プロフェッショナル、プレス等が、本邦初の試飲に挑戦しました。
1978年創業のダックホーンはメルロ種主体の最高レンジ『メルロ スリーパームス』を生産しています。「リリースしたのは80年で、当時はメルロの発音も良く理解されていなかった時代です」と上級副社長。ちなみに、ダックホーンの『ソーヴィニヨン・ブラン07』と『ゴールデン・アイ ピノ・ノワール05』は、2009年のオバマ大統領就任式昼食会で供出され、話題になりました。
さて、その3ビンテージですが、1995年は双方の利き分けが難しいほどの実力で、カリフォルニアワインがしっかり熟成することを実感。2004年、08年は新樽比率や熟成期間、土壌に由来する個性を各グラスから感じ取ることができました。3カ月かけて周到に準備した中川ワインの熱意、チャレンジ精神に、改めて、敬意を表します。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS)