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【都知事選】舛添氏が出馬意向 田母神氏は表明

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【都知事選】舛添氏が出馬意向 田母神氏は表明

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都知事選出馬を表明した会見を終え、日本(にっぽん)維新の会の石原慎太郎共同代表(右)と握手を交わす元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏=2014年1月7日午後、衆院第1議員会館(酒巻俊介撮影)  東京都の猪瀬直樹前知事(67)の辞職に伴う都知事選(1月23日告示、2月9日投開票)に元新党改革代表で元厚生労働相の舛添(ますぞえ)要一氏(65)が立候補する意向を固めたことが1月7日、関係者への取材で分かった。自民党が週内に都知事選の対応について方向性を打ち出すことから、自民党の対応を踏まえ、週明けにも正式表明する方針だ。

 舛添氏周辺によると、選挙戦では「安心と希望の社会保障」を掲げ、医療や介護など少子高齢化に取り組む姿勢を打ち出すほか、2020年の東京五輪で「史上最高の成功」という評価が得られるようにオール・ジャパンの態勢づくりなどを中心に訴える意向だ。

 舛添氏をめぐっては、自民党内に推す声があり、自民党の独自調査でも有力候補の一人と位置づけられている。ただ、2010年に自民党を除名処分となった経緯から、ベテラン議員からは反発の声もあがっている。舛添氏は1999年の都知事選に支持政党なしで立候補し、84万票を獲得している。今回も既成政党に推薦を要請しない可能性が高く、党派色を薄めるため近く新党改革を離党する。

 舛添氏は1948年生まれ。福岡県出身で東大法学部卒業。79年から89年まで東大助教授を務め、2001年の参院選で自民党から立候補し、政界入りした。安倍晋三、福田康夫、麻生太郎内閣で厚生労働相を務めた。

 都知事選をめぐっては、元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏(65)が7日、国会内で記者会見し、無所属で出馬すると正式表明した。公約に、災害対策として自衛隊を中心とした救助態勢の構築などを挙げた。

 また、前日弁連会長の宇都宮健児氏(67)が、すでに立候補を表明し、共産党と社民党が推薦を決定。宇都宮氏は8日に決起集会を行う。民主党は細川護煕(もりひろ)元首相(75)に出馬を打診したが、細川氏は固辞した。

 ≪舛添氏擁立めぐり、きしむ自民 田母神氏支援で維新に火種≫

 自民党は、出馬の意向を固めた元厚生労働相の舛添(ますぞえ)氏を「勝てる候補」とみて、支援する動きが活発化しそうだ。ただ、自民党を批判して2010年4月に離党し、除名されたため党内にアレルギーが強いのも事実だ。党東京都連は1月7日夜、幹部会合を都内のホテルで開き、候補者選定の最終調整に入ったが、党として舛添氏支援を決めるためのハードルは高い。

 「一度除名した人を(都知事候補として)推薦するのはどうか」

 党本部で7日に開かれた副幹事長会議で、河野太郎副幹事長(50)は、都知事選の候補者選びの話題になると、石破(いしば)茂幹事長(56)にこう詰め寄り、舛添氏擁立の動きを牽制した。

 石破氏は「説明できないことはしない」と応じ、舛添氏擁立については慎重に判断する考えを示した。ただ、6日までの党内協議で舛添氏のほか、小池百合子元防衛相(61)、東京都の佐藤広元副知事ら数人が候補者として絞り込まれ、党独自の世論調査で支持率が高かった舛添氏が事実上の第1候補となっていた。

 もともと舛添氏と親しい石破氏は6日のBSフジ番組で、舛添氏を「有能な人だ」と評価。舛添氏擁立の流れに乗りつつある。

 だが、舛添氏がかつて所属した参院自民党の反発は根強い。脇雅史参院幹事長(68)は7日の記者会見で「党として推薦・支持することになれば、それなりにけじめが必要になる」と指摘。党内では「舛添氏の謝罪が支援の前提条件だ」(幹部)との見方も出ている。

 さらに、都議会側の意向を受け、都連会長の石原伸晃(のぶてる)環境相(56)も舛添氏擁立に難色を示すなど、党内は2つに割れかねない。このため最終的に党総裁の安倍晋三首相(59)が舛添氏擁立の是非を判断する可能性もある。

 民主党内にも「勝てる候補を突き詰めると舛添氏しかいない」(都連幹部)などの声が強まっている。だが、党執行部は「われわれがどう距離感をとるのかは分からない」とあいまいな態度だ。自民党をはじめ、各党が舛添氏を支援するかどうかが焦点となる。

 一方、日本(にっぽん)維新の会は7日、都知事選の対応について「自主投票」とすることを決めた。元知事の石原共同代表は、立候補表明した田母神(たもがみ)氏の支援に回り、都知事選に「参戦」した。ただ、党内には議員辞職した東国原(ひがしこくばる)英夫氏(56)を推す声もあり、石原氏の動きは維新内にくすぶる「東西対立」の新たな火種になりかねない。

 平沼赳夫(たけお)国会議員団代表(74)ら旧太陽の党系の議員らも石原氏に同調しているが、維新の都議会勢力は2議席のみで、どこまで都民に浸透できるかは不透明なままだ。

 しかも、党内にあった東国原氏の擁立論を石原氏が拒否したことで、橋下(はしもと)徹共同代表(大阪市長)に近い大阪維新の会系議員が反発した。橋下氏も当初から都知事選の候補者選びを石原氏に任せており、7日も市役所で記者団に「個人の政治活動は自由だ。政党としてどうのこうのはない」とだけ語った。(SANKEI EXPRESS

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