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【奥多摩だより】早朝の湖面(東京都奥多摩町)
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早朝の湖面=2013年12月25日、東京都奥多摩町(野村成次撮影) 日が少しだけ長くなってきた。東京地方では午後5時近くまで明るい。昼がもっとも短いのは冬至だとはよく知られているが、日の出はその日を半月ほど過ぎたころが一番遅くなる。東京地方では午前6時50分ごろ。だからつい先日まで、お日さまはかなりの朝寝坊だった。ちなみに日没は、冬至の半月ほど前が一番早い。
奥多摩の遠いところへ行くには、拙宅近くの駅を、まだ真っ暗な午前5時前の電車に乗る。それだとJR青梅線の奥多摩駅発7時のバスに間に合い、日の出が遅い冬場は、奥多摩湖畔を走るころに、ほんの少し昇った太陽が朝の光を山肌に届けてくる。時には山がオレンジ色に輝くこともあるのだ。
奥多摩湖上流の留浦(とずら)の集落まで来た。ここは東京都の西端で都県境まで数百メートル。小袖川という小さな流れの先は山梨県丹波山(たばやま)村、信玄さまのご領地だった甲斐の国だ。いつもこの川を越えれば、口ずさんでいた「東京音頭」は「武田節」に変わっている。
今年の奥多摩湖は貯水量がたっぷり。風もない早朝の湖面は、山肌や木々をきれいに映している。杉は緑を保っているが、落葉樹は葉をすっかり散らし、枝だけが白く光っている。その真冬の静けさを破って、「キャーキャー」と鳴き声が聞こえる。サルの群れが近くに来たのだ。数匹が道路まで出ている。カメラを構えたら「パパラッチだ!」とばかりに逃げていった。ここのサルは人を見る目がない。みめ麗しく優しい小生が、危害を加えるはずなどないだろうに。いや、その日は食べ物を持っていなかった。連中はそれを瞬時に見破って、ムダだと立ち去ったのだろうか。(野村成次、写真も/SANKEI EXPRESS)