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ビットコインのイメージ悪化懸念 資金洗浄、手数料で荒稼ぎ

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ビットコインのイメージ悪化懸念 資金洗浄、手数料で荒稼ぎ

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 ニューヨーク連邦地検は1月27日、米の違法薬物販売サイトの利用者にネット上の仮想通貨「ビットコイン」を提供したとして、マネーロンダリング(資金洗浄)や違法送金などの疑いで、ビットコイン交換会社の最高経営責任者(CEO)、チャーリー・シュレム容疑者(24)と共犯のロバート・ファイエラ容疑者(52)を訴追した。シュレム容疑者はビットコインの普及を目指す団体の幹部で、米メディアから“ビットコイン長者”ともてはやされた人物。ビットコインは格安の手数料で代金の決済や外国への送金ができ、投資対象としても世界的に利用者が急拡大してきたが、業界の顔役が犯罪者として訴追されたことで、各国当局のさらなる規制強化など転機を迎えそうだ。

 薬物取引サイトに着目

 ニューズ・コープ・オーストラリア傘下のニュースサイトや米CNNテレビ(電子版)などによると犯罪の舞台となった違法薬物販売サイトは、サンフランシスコが運営元だった「シルクロード」。マリフアナなど1万3000種類を扱い、約100万人の会員を相手に2011年1月~昨年(2013年)9月だけで10億ドル(約1000億円)を荒稼ぎしていたが、米連邦捜査局(FBI)などの捜査を受け、昨年(2013年)10月に閉鎖された。

 シュレム容疑者ら2人はこのサイトが匿名性の高いビットコインでのみ商品取引していた点に着目した。まず11年にファイエラ容疑者が「BTCKing」を名乗って接近し、顧客がビットコインに両替する際、匿名を保持する代わりに手数料9%を要求した。ビットコインの調達先は世界的にも規模が大きなビットコイン交換会社の一つであるシュレム容疑者の「ビットインスタント社」だった。

 日本の国税庁に当たる米内国歳入庁(IRS)は、2人が11年12月からサイト閉鎖の13年10月までに少なくとも105万ドル(約1億円)分のビットコインを販売し、違法薬物販売業者の資金洗浄に加担したとみている。

 拡大市場、業界に衝撃

 ニューヨーク在住のシュレム容疑者は、ビットコイン利用促進推進団体の副会長で、経営する「ビットインスタント社」には米フェイスブックの所有権をめぐって争った著名投資家、タイラーとキャメロンのウィンクルボス兄弟が150万ドル(約1億5000万円)を投資するなど、業界の成功者として注目を集めてきた。それだけに訴追報道の衝撃は大きく、ビットコイン財団は「驚き、ショックを受けた」との声明を発表。ビットコインの価格は27日夕、米市場で前日比7%ダウンの810ドル(約8万1000円)に下げた。

 電子通貨に関するニュースサイト、コインデスクの編集者、エミリー・スパベン氏は英BBC放送に「残念なことに違法薬物販売サイトとビットコインは当分、セットでニュースの見出しになり続ける。それはデジタル通貨の利用者の大多数に無関係なビットコインの暗黒面だ」と指摘し、電子通貨のイメージ悪化に懸念を示した。

 ファイエラ容疑者は最大25年、シュレム容疑者は最大30年の禁錮刑に処される可能性があるという。(SANKEI EXPRESS

 ■Bitcoin インターネット上だけで流通する仮想通貨。「中本哲史(ナカモト・サトシ)」を名乗る人物による論文公開を機に、2009年2月から利用が始まった。世界各地の民間業者によるネット上の「取引所」に口座を開設し、手持ちの現金通貨と交換したり、第三者に送金できる。ネットを介し瞬時の国外送金が可能で、国外送金でも特別な手数料はかからない。一方で、国や中央銀行の裏付けがなく、投機性が高い。また匿名取引が可能でマネーロンダリング(資金洗浄)の温床とも指摘され、各国当局による規制の動きが強まっている。

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