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社会
【Q&A】教育委改革 責任所在と中立性 首長権限どこまで
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教育委員会改革のイメージ=2014年2月9日現在 自民党と公明党が教育委員会制度改革に関する作業チームを設置しました。通常国会への法案提出に向け、近く協議を始めます。
Q 教育委員会はどんな組織ですか
A 原則5人の委員で構成される地方教育行政の最終的な権限を持つ「執行機関」です。教育の基本方針や教員人事などを話し合って決めています。委員は議会の同意を得て首長が任命しますが、首長から独立した組織です。
Q トップは誰ですか
A 教育委員長ですが、非常勤のため、教育委員会の議長的役割にすぎないとの指摘もあります。常勤の教育長が実質的なトップとして日々の業務を行っています。
Q なぜ改革するのですか
A 教育委員会は月数回しか会議が開かれないことも多く、大津市のいじめ自殺のような緊急時に迅速な対応ができないとの批判があるからです。非常勤の教育委員長と常勤の教育長の二重体制が、無責任体質につながっているとの指摘もあります。
Q どう変えるのですか
A 中教審は昨年(2013年)12月、2つの改革案を答申しました。首長を執行機関とした上で教育長の任免権を与え、教育委員会は首長や教育長をチェックする機関に格下げする案と、教育委員会は執行機関としたままで、教育長の任免権を首長に与える案です。首長を執行機関にする案を強調していますが、中教審でも異論が多く、両論併記となりました。
Q 結局、どちらになりそうなのですか?
A 両論併記となったため、下村博文(しもむら・はくぶん)文部科学相は自民党で改革案をまとめるよう依頼しましたが、党内にもさまざまな意見があり、集約できていません。公明党も首長が直接教育に介入できる案には「政治的中立性が保てない」と反対です。
Q 論点は何ですか
A 首長の権限をどこまで強化するかです。責任の所在を明確にすることは必要ですが、首長の意向に教育現場が振り回されることは避けなければいけません。そこで自民党では、教育委員長と教育長を兼任する常勤の「代表教育委員(仮称)」を設置して、責任を一元化するとの案が浮上しています。首長が代表教育委員の任免権を持ちますが、教育委員会は執行機関として残すため、政治的中立性は確保されやすくなります。
Q この案でまとまるのですか
A 自民党案を軸に自公協議は進められる見通しです。ただ、現在は病気などに限定されている首長の罷免権をどう規定するかといった課題も多く、2月中の与党案の取りまとめに向けた協議の行方が注目されます。
≪折衷案、兼務の常勤ポスト検討≫
自民党は教育委員会制度改革で、教育長と教育委員長を兼務する新たな常勤ポスト「代表教育委員(仮称)」を設ける案を検討している。責任体制を明確化し、いじめ自殺など緊急時の迅速な対応を可能にする狙い。自治体の首長が代表教育委員を任命・罷免できるようにする一方、最終的な権限を持つ「執行機関」の役割を教育委員会に残し、政治的中立性の確保に配慮した。
教育委員会制度改革では、首長の権限強化を目指す下村文科相らと、首長による政治介入を懸念する自民党文教族議員や公明党の間に見解の相違がある。新たな案は両者の主張の「折衷型」で、公明党幹部も理解を示している。
自民党の新たな案では、新設される代表教育委員が中心となり、非常勤の教育委員との合議で意思決定する。教育委員会は執行機関の立場を維持しつつ、代表教育委員を指揮・監督する。首長は代表教育委員の任免権を持つ。
自民党は、政府が今国会への提出を目指している地方教育行政法改正案に新ポスト創設を盛り込み、今国会で成立させたい考えだ。(SANKEI EXPRESS (動画))