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大雪被害 機材不足、判断遅れ…浮かぶ教訓

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの社会

大雪被害 機材不足、判断遅れ…浮かぶ教訓

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観測史上最高の積雪を更新した主な地点=2014年2月14日(※今回の積雪)  ≪6都県156校で休校、孤立状態は1100人≫

 関東甲信で記録的な大雪が観測されてから、2月21日で1週間。この間、各地で孤立集落が相次いだが、機材不足から除雪が進まず、孤立の把握が遅れる自治体もあった。一方、各地で起きた車の立ち往生では、国などの通行止めの判断が遅く除雪を優先できなかったことが発端だったとされる。大雪時の対応をめぐり、自治体や国の教訓が浮かび上がった。

 建設会社が協力も

 一時、全域が孤立した山梨県早川町。現状の把握もままならず自衛隊に救助要請したのは、大雪から2日が経過した(2月)16日午後7時だった。担当者は「孤立は予想できたが除雪が進まず、満足な情報も得られず、後手の対応に回らざるを得なかった」と振り返る。

 20日朝も131世帯198人の孤立が続いている。担当者は前例のない降雪量に加え、重機の不足が孤立の長期化を生んだとみている。町には除雪機はなく、地元建設会社の協力で除雪しているが、「不景気で会社も減る中、あれだけの大雪で手が回らなくなった地点も出た。正直、お手上げ状態だった」と話した。

 群馬県下仁田町では、孤立集落の正確な把握が降り始めから大幅にずれ込んだ。町内の道路は狭く、重機が容易に入り込めない上に雪を除くスペースの確保にも苦しみ、入り組んだ集落の状況が把握できなかったという。担当者は「今度、同じような大雪になっても、どう対応してよいのか分からない」と頭を抱える。

 これまでの倍となる観測史上最多の積雪73センチを記録した前橋市。孤立はなかったものの、1週間を迎える今も除雪に苦慮している。総延長約4000キロの市道のうち9割の3600キロは手つかずで車が通れないところもある。前橋市道路管理課の稲垣則行課長(58)は「自治体の対応能力を超えた積雪だった」と語る。

 「災害と認識せず」

 後手の対応は国側にも見られた。長野、群馬県境の国道18号バイパスでは、3日近くにわたり車数百台が立ち往生。道路を管理する国土交通省の通行止めの措置が遅れて集中的な除雪ができず、冬装備の不十分な車が事故を起こして大規模な立ち往生に発展した。

 車を放置して避難する運転手らも続出、除雪の妨げに拍車をかけた。こうした状況に、国交省は今後、早めに通行止めにする方針を示した。世耕弘成(せこう・ひろしげ)官房副長官も20日の政務官会議で、除雪を妨げる放置車両を撤去できるようにする災害対策基本法改正に連携して取り組むよう指示した。

 一方、気象庁の羽鳥光彦長官は20日、実際の予報と違った大雪になったことについて「不十分な点があった」とし、予報技術を見直す考えを示した。

 防災危機管理アドバイザーの山村武彦氏(71)は「普段雪の降らない自治体は大雪を大災害と考えておらず、孤立集落の情報集約に時間がかかったことが孤立長期化の背景にある。車の立ち往生が起きた道路は“大動脈”で、通行止めにしたくないという配慮があり、裏目に出たのだろう」と分析している。(SANKEI EXPRESS (動画))

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