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【クリミア併合】露軍、武装解除強制 軍事支配は最終局面

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【クリミア併合】露軍、武装解除強制 軍事支配は最終局面

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 ≪クリミアのウクライナ軍を制圧≫

 ウクライナ南部クリミア自治共和国で3月22日、ロシアによる併合決定後も抵抗を続けていたウクライナ軍の空軍施設に露軍部隊が装甲車で突入し、艦船にも軍部隊を派遣して、いずれも制圧した。露側はクリミアに駐留するウクライナ兵の武装解除に強制的な手段を取り始めており、半島の軍事支配は、最終局面に入っているとみられる。

 基地に装甲車突入

 ウクライナの報道によると、この日、露軍部隊が強行突入したのは、半島南部にあるベルベク空軍基地とノボフェドリフカの駐屯地。露側が周囲を包囲し、22日までに投降するよう、ウクライナ側に最後通告を突きつけていた。

 空軍基地では、装甲車が門や壁を破壊し、続いて重装備の露兵士らが次々に施設内に突入。その際、発砲音が周囲に鳴り響いた。

 ロイター通信によれば、突入後にウクライナ軍の現場司令官が露側に服従しないことを宣告すると、周囲の兵士から「ウクライナ万歳」の歓声が上がった。突入の際、ウクライナ兵1人が負傷。現場司令官は拘束されたという。

 一方、セバストポリ港に停泊していた艦船「スラブチチ」や潜水艦「ザポロジエ」にもこの日、武装部隊が侵入。露軍が軍事侵攻して以来、船内に閉じ籠もっていたウクライナ部隊は、“無血”で露側に艦隊を明け渡した。

 スラブチチの副司令官は23日、産経新聞の電話取材に、「ウクライナ兵として最後まで抵抗したことは誇りに感じているが、ウクライナ軍の参謀本部からの情報が遮断され、中央から最後まで明確な指令が届かなかった」と打ち明けた。

 ロシア国防省はウクライナ兵に3つの選択肢を提示した。(1)露軍への移籍(2)クリミアに残るが兵士を辞めることを宣言(3)ウクライナ軍に引き続き忠誠を誓うが半島外に強制的に移動させられる-がそれだ。

 「犯罪人か反逆者か」

 セルゲイ・ショイグ露国防相(58)は、これまでにクリミアのウクライナ軍の72部隊がすでに露軍移籍を認め、約1万8000人のウクライナ将校のうち移籍を拒んでいるのは2000人弱にとどまると語った。

 武装解除された兵士は自宅に帰り、自らの選択を考慮している最中という。地元メディアの取材に対し、ある兵士は「私たちはロシアの法律で裁かれ、戦争犯罪人になるか、ウクライナの法律で国家への反逆者になるしかない」と嘆いた。(シンフェロポリ=ウクライナ南部 佐々木正明/SANKEI EXPRESS

 ≪G7首脳、対露制裁強化を議論へ≫

 ウクライナ南部クリミア自治共和国を併合したロシアへの対応をめぐり、日米欧とカナダの先進7カ国(G7)は3月24日、オランダ・ハーグで首脳会議を開く。もともとは核問題を議題とした核安全保障サミットが24、24両日開かれる予定だったが、各国首脳の関心事は対露制裁の強化をめぐる議論だ。

 バラク・オバマ米大統領(52)は、ウクライナ南部クリミア自治共和国の併合を強行したロシアを制裁強化によって孤立させる考えだ。G7首脳会議では、主要国(G8)首脳会議の枠組みからの「ロシア外し」も視野に入れる。

 「事態を悪化させれば、ロシアはさらに国際社会で孤立する」。オバマ大統領は(3月)20日の声明でこう語り、ロシアに警告を発した。 米国と欧州連合(EU)はこれまで、ロシア当局者らの米欧への渡航禁止と資産凍結の制裁を発動。さらに対象者を拡大し、足並みをそろえてきた。

 これに加え、米国は基幹産業を狙った制裁を視野に入れることでG7各国が一致できれば、ロシアへの圧力は格段に強まり、ウクライナ東部への侵攻を食い止める効果が期待できる、とみている。

 だが、ロシアとの経済的結び付きがはるかに強い欧州各国には、制裁強化をめぐる立場の違いがある。G7のメンバーである英国、ドイツ、フランスの場合も、それぞれ金融、エネルギー、武器輸出をめぐる関係が深く、これらの分野への制裁拡大を避けたいのが本音。イタリアもロシアへの輸出がEUではドイツに次ぐ規模で、踏み込んだ経済制裁には消極的だ。

 また、欧州でのミサイル防衛(MD)計画の縮小やロシアとの新戦略兵器削減条約(新START)で「核なき世界」を追求してきたオバマ大統領には、決定的な米露対立を避けたいという事情もある。(3月)19日には「ウクライナで軍事行動に関わるつもりはない」と、米テレビのインタビューで明言した。G7首脳会議では「オバマ外交」の真価が問われることになる。(SANKEI EXPRESS

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