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「目的なくプルトニウム持たない」 安倍首相、核安保サミット演説

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「目的なくプルトニウム持たない」 安倍首相、核安保サミット演説

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 53カ国4機関が参加し、核テロ対策を議論する核安全保障サミットが3月24日、オランダ・ハーグで開幕、安倍晋三首相(59)は研究用プルトニウムを米国に返還するための日米共同声明などに言及する。首相はサミットに合わせて24日夜(日本時間25日未明)に開かれる先進7カ国(G7)首脳会議にも出席し、ウクライナ南部クリミア自治共和国を併合したロシアへの制裁強化策を議論する。

 安倍首相は核サミットの演説で、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構が高速炉臨界実験装置(FCA)の研究用に所持していたプルトニウム331キログラムを米国に引き渡し、米国からは低濃縮ウランなど代替の研究用物質を譲り受ける日米共同声明を紹介する。

 同時に、中国が「核不拡散に対するリスク」(華春瑩(か・しゅんえい)副報道局長)と批判していることも念頭に「利用目的のないプルトニウムは持たない」とアピールする。さらに、米英仏韓と共同でまとめた核物質の輸送時の安全向上策も示す。

 核サミットは、2010年にバラク・オバマ米大統領(52)の提唱で初めて開催され、今回が3回目。安倍首相やオバマ氏のほか、中国の習近平国家主席(60)、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(62)らが出席し、ロシアからはウラジーミル・プーチン大統領(61)の代わりにセルゲイ・ラブロフ外相(64)が加わる。核兵器転用が可能な高濃縮ウランとプルトニウムの貯蔵量の最少化、核物質の防護などが主要議題となる。25日夕には協議の成果をまとめた共同コミュニケを採択する。

 G7首脳会議では、主催するオバマ氏が制裁強化などで「ロシア包囲網」の形成を目指す。安倍首相は、ロシアに対する追加制裁や、ウクライナ暫定政権に対する1000億円規模の金融支援策などを発表する。(ハーグ 宮下日出男、水内茂幸/SANKEI EXPRESS

 ≪習主席「安重根記念館、私の指示」≫

 核安全保障サミットに出席するためオランダ・ハーグを訪問中の中国の習近平国家主席は3月23日夜、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談し、中国黒竜江省・ハルビン駅に初代韓国統監を務めた伊藤博文を暗殺した安重根の記念館が1月に開設したことを「私が記念館建設を指示した」と説明した。朴氏はこれを評価した。韓国大統領府が明らかにした。

 習氏が記念館について切り出し、「両国国民の(安重根への)思いを強め、(中韓の)重要な結び付きとなる」と述べた。朴氏は「両国国民から尊敬される安重根義士をしのぶ記念館は、友好協力の象徴になる」と応じた。

 さらに習氏は、日本統治に抵抗した朝鮮人部隊「光復軍」の記念碑が近く、部隊の拠点があった中国・西安に完成すると説明した。朴氏は「意義深く思う」と述べたという。両首脳は、北朝鮮の非核化を目指す方針も再確認した。

 朴氏は25日、バラク・オバマ米大統領を交えて安倍晋三首相と初めて会談する。中韓首脳はこれを前に歴史問題で「対日共闘」を確認した形だ。会談は中国が開催を主導したと伝えられ、日米韓の連携にくさびを打ち込む思惑もうかがえる。(ハーグ 内藤泰朗/SANKEI EXPRESS

 ≪官房長官が反発≫

 菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は3月24日の記者会見で、中韓首脳が安重根の記念館建設で両国関係が強化されたとの認識で一致したことに対し、反発した。

 菅氏は、安重根の暗殺事件について「日本と韓国の立場は全く異なる」と指摘した。その上で「前世紀のこうした事件について、一方的な評価に基づく主張を韓国と中国が連携して国際的に展開する動きは、東アジア地域の平和と協力の構築に資するものではない」と述べた。

 また「重層的で未来志向の日韓関係を築き上げていくために、お互いより前向きな姿勢で対応していくことを強く望んでいる」と韓国を牽制(けんせい)した。ただ、25日に予定される日米韓首脳会談への影響については「ないと思う」と答えた。(SANKEI EXPRESS

 【安倍首相演説骨子】

・核廃絶に向けた核不拡散、核軍縮推進のため、核安全保障の強化に尽力する

・原発事故を経験した日本は、核テロ対策に役立つ教訓を各国と共有。核安全保障の強化を主導する責任がある

・研究炉の高速炉臨界実験装置で使用してきた高濃縮ウランと、分離プルトニウムの全量撤去を決めた

・来年春までに国際原子力機関の核物質防護諮問サービスを受け入れる

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