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【中塚翠涛 ココロのかたち】一期一会 今日の景色、今日の自分との出会い

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【中塚翠涛 ココロのかたち】一期一会 今日の景色、今日の自分との出会い

更新

第1回目の作品「一期一会」(中塚翠涛(すいとう)さん提供)  ≪心豊かに、気持ち明るく≫

 読者の皆さま、はじめまして。中塚翠涛です。今月から月に1回、「ココロのかたち」というテーマでこちらのページを担当させていただくことになりました。

 私の作品を紹介させていただきながら、その言葉にまつわる自分なりの思いをお伝えしたいと思います。

 第1回の作品には「一期一会」を選びました。

 これが皆さまと私の初めての出会いの場ですね。

 私は旅が好きで、行く先々での景色や人との出会いは二度と訪れない大切な時間です。以前、モルディブを訪れた時のこと。雲が好きな私は、桟橋や海辺で日がな一日空を見上げていましたが、ふと、雲がアラビア文字のように見えてきました。雲と文字が自分の中でリンクするのを感じながら、自然から生まれてくるものの美しさを自分の作品制作に生かしていきたいと感じました。

 同じシチュエーションはない

 雲の形も、波の形も、次に見た時には一瞬で、その形を変えて自由に流れています。

 例えば、同じ人に会ったとしても、同じシチュエーションや、同じ心境で会えることはないのです。時間や空間も違えば、境遇も昨日と今日では同じではありません。今日の景色、今日の自分との出会い、毎日が「一期一会」。どんな出会いも、常に一生に一度の出会いと思って、丁寧に過ごしたいですね。

 最近の自然災害や、3年前の東日本大震災のこともあって、「明日何が起きるか分からない」と考えている方は多いのではないでしょうか。不安ももちろんありますが、だからこそ、一瞬一瞬を前向きに明るく生きたいと思っています。

 「嫌なこともあるよ」「落ち込む日だってあるよ」という皆さまの声が聞こえてきます。そうですよね。私にもあります。

 でも、ちょっとした方法で気持ちを変えることができます。それは、小さな「ときめき」を見つけること。「小さな一期一会探し」とでもいいますか…。

 木漏れ日が心地よく暖かくて、春気分になりました。先日、ニューヨークから帰ってきたのですが、満開の桜は見られないなと思っていたんです。確かに満開ではありませんでしたが、とってもきれいな葉桜が見えました。桜って、見ていて他のお花にはない喜びがあると思います。

 ≪春を喜び、美しさに魅せられ≫

 ご存知の方も多いと思いますが、在原業平の和歌に、

 「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」

というものがあります。

 散っていく葉桜を眺めると、この歌が思い出されます。桜は、とても短い間に開花して散ってしまいます。もしその桜が無ければ、その動向に心がそわそわすることもないでしょう。

 けれども、有るからこそ咲き始めに春を喜び、満開の花の美しさに魅せられ、葉桜の散っていくさまにも、奇麗だなぁと幸せを感じることが出来るのではないでしょうか。

 これが、小さなときめき、花と私の一期一会です。

 「忙しいのに花なんか見てられないよ」と思う方もいらっしゃいますよね。私は、そういう時こそ意識するようにしています。見て、感じて、自分自身の気持ちが明るくなって。また次の仕事にむかって頑張ることができるのだと思います。

 明日はどんな一期一会が待っているのでしょうか?(談)

 ≪きれいに書けるポイント 次回から登場≫

 連載第2回は、「学び」のコーナーが登場します。皆さまの中には、「きれいな字が書けるようになりたい」という方も多いと思います。「ありがとうございます」「お世話になっています」など、普段、よく使う文章を例に、うまく書ける簡単なポイントを挙げますので、気軽に練習していただけたらと思います。

 【私の道具たち】

 ■ペン

 私は文房具が大好き。海外でも新しいものや珍しいものに出合うとついつい買ってしまいます。私が使ってみて、皆さまにもお薦めしたいのが、「携帯筆ペンきらり」(ぺんてる、本体価格1000円)をはじめとする「きらり」シリーズ。ゲルインキボールペン(300円)やシャープペン(400円)があって、ボールペンはとめ、はね、はらいがしっかりとできるので、これから手書きの文字を学ぼうとする方にぴったりです。パッケージには美しい文字を書くための簡単なアドバイスもついています。他にもさまざまなペンがありますから、自分にあった一本を探してみてください。

 ■なかつか・すいとう 岡山県倉敷市生まれ。4歳から書を学ぶ。大東文化大学文学部中国文学科(現・中国学科)卒業。古典的な書をもとに、和紙、陶器やガラス、映像などのさまざまな手法で、文字のもつ魅力を表現し、国内外で活動。創作活動と同時に、多くの方に手書きを楽しんでもらいたいという思いから、ペン字練習帳等の出版も多数。テレビ朝日系「中居正広のミになる図書館」(火曜後11・15)の「美文字大辞典」コーナーの講師として出演し注目を集める。手がけた題字は、テレビ東京系の新春ワイド時代劇「戦国疾風伝 二人の軍師」、松竹映画「武士の献立」など多数。TBS系ドラマ「SPEC」では書道監修と、戸田恵梨香演じる主人公・当麻紗綾のボディダブルを担当。著書に累計272万部を突破した『30日できれいな字がかけるペン字練習帳』シリーズ(宝島社)、『美文字のすすめ』(幻冬舎文庫)や『コトバノ森』(PARCO出版)など。3月に『履歴書やエントリーシートがキレイに書ける 美文字練習帖』(小学館)を発売した。

www.suitou-nakatsuka.jp

twitter.com/nakatsukasuitou

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