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クールビズ10年目 涼しく多彩に進化
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クールビズ初日を迎えた5月1日、日本列島には南から暖かい空気が流れ込み、東京都心では最高気温24.5度を観測。街角では上着を手に持って歩くひとの姿が目立った=2014年5月1日、東京都渋谷区(寺河内美奈撮影) 軽装で地球温暖化をストップ-。冷房時の室温が28度でも快適に過ごせる服装を呼び掛ける「クールビズ」が5月1日、始まった。今年で10年目に入り、多くの企業や官公庁で夏のノーネクタイが定着、スーツ一辺倒だった職場のファッションも多様になった。期間は10月末まで。
百貨店売り場ではネクタイなしの着こなしに違和感のない、首回りのデザインをすっきりさせたワイシャツが人気だ。ネクタイは大きく販売を落としたが、涼しさを感じられる「ニットネクタイ」で挽回を狙っている。
オフィスの軽装化に合わせ、カジュアルな上着やズボンの品ぞろえは年々、充実している。百貨店の夏向け男性衣料品売り場では、襟を高くするなど着崩れた印象が出ないよう工夫しているワイシャツが支持を集めている。
スポーツウエアで使う高機能素材を採用したワイシャツも定番の商品。汗をかいてもすぐ乾き、真夏も涼しく過ごせる。丸洗いできる素材を使ったジャケットも登場している。今年は白いズボンが好調で、紺などのジャケットと合わせる客が多いという。
東京・霞が関の環境省は、雨上がりの蒸し暑さもあって大半の職員が軽装で出勤。クールビズを担当する国民生活対策室の藤本なな絵係長は、ピンクの沖縄の開襟シャツ「かりゆしウエア」姿で「昨日までは黒や紺の重い色の服装が多かったが、今日から職場が明るくなった」と話した。
環境省は「戸惑いがあった当初に比べ、最近は堂々と実践できるようになった。国民の認知度も9割を超え、特に真夏日には温室効果ガスの削減効果が上がる」としている。6月から9月まではアロハシャツやポロシャツなどさらに涼しい服装を認める「スーパークールビズ」の期間となる。
クールビズは2005年にスタート。半袖スーツの印象が強い「省エネルック」に代わる愛称を公募、選定した。当初は6月からだったが、東日本大震災が起きた11年からは電力不足に対応するため1カ月繰り上げた。
愛称選びに加わった漫画家、弘兼憲史さん(66)は「ここまで定着するとは思わなかったが、政財界のトップがネクタイを外し始めた影響が大きい」と指摘。「日本は暑くて湿気が多い。私の漫画の主人公、島耕作も夏はノーネクタイで、おしゃれなシャツ姿だ」と話している。(SANKEI EXPRESS)
2005年4月27日 環境省の「夏のビジネス軽装」愛称公募で約3200件の中から「クールビズ」を選出
2005年6月1日 最初のクールビズ。小泉純一郎首相(当時)は沖縄の開襟シャツ「かりゆしウエア」で登場
2011年5月1日 東日本大震災による電力不足対策でクールビズ開始を1カ月前倒し
2011年6月1日 スーパークールビズがスタート。アロハシャツやポロシャツなども認める
2013年6月1日 女性向けのクールビズ開始
2014年5月1日 10回目のクールビズ始まる