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政治
【取材最前線】野党再編の同床異夢
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政界では今、野党再編の動きが活発化している。巨大与党に対抗する一里塚として、日本(にっぽん)維新の会と結(ゆ)いの党は今夏の合流、新党結成を決めた。そこで壁となっているのが憲法と集団的自衛権の問題だ。維新は自主憲法制定、行使容認を掲げるが、難色を示す結いに配慮し、棚上げ状態となっている。
重要政策を曖昧にしてまでも新党を目指す狙いは何か。この疑問に、野党再編を主導する維新の松野頼久国会議員団幹事長は「100人規模の塊がないと何もできない」と説明する。
これは一定の説得力がある。2009年衆院選で民主党は公示前の115議席から308議席に増やし、政権交代を果たした。同じ選挙で自民党は119議席だったが、12年衆院選で294議席を獲得、政権を奪還した。選挙前に100議席超の勢力であることは、最近の政権交代実現の前提となっている。民主、維新、みんな、結い、生活の5党の議席を合わせると130議席を超える。まさに「数の論理」だ。
だが、物事はそう簡単に進まない。民主は5月13日、みんなと初の幹事長・国対委員長会談を開いた。政治用語では「2幹2国」と呼ぶ。14日には結い、生活とも2幹2国を開始した。急な動きの狙いは維新への牽制(けんせい)にある。
維新(53議席)と結い(9議席)が合流すれば62議席で、民主(副議長含め55議席)を抜き衆院野党第1党になる。民主は、これが気にくわない。みんなとの2幹2国では、維新・結いの合流に対し「選挙を経ずに野党第1党になることに正当性はあるのか」との認識で一致した。
数の論理を優先する維新の限界も見え始めている。維新は13日、新党合流を念頭にみんなとの2幹2国を1年ぶりに再開させた。だが、会談後に合流の可能性を記者団に問われると、こんなやり取りになった。
みんな・水野賢一幹事長「結論先にありきだとは思っていない」
維新・松野氏「私は希望している」
場の空気は凍った。「同床異夢」の表現がぴったりだ。憲法観がバラバラで消費税増税などをめぐり対立、分裂、下野したのが民主党政権だった。維新も、政権交代を目的に根幹の政策を置き去りにした「野合」を進めれば、同じ失敗を繰り返すのではないだろうか。(酒井充/SANKEI EXPRESS)