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【8億円借金問題】渡辺代表が辞任 みんな存続の危機

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【8億円借金問題】渡辺代表が辞任 みんな存続の危機

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記者会見する渡辺喜美(よしみ)氏。みんなの党代表辞任を表明した=2014年4月7日、国会内(酒巻俊介撮影)  ≪8億円借り入れ問題で引責、議員辞職は否定≫

 みんなの党の渡辺喜美(よしみ)代表(62)は4月7日、国会内で緊急記者会見を行い、化粧品販売会社ディーエイチシー(DHC)の吉田嘉明会長(73)から計8億円を借り入れた問題の責任をとるため党代表を辞任すると表明した。離党と議員辞職は否定した。2009(平成21)年8月の結党以来、5年近くトップとして率いた渡辺氏の代表辞任で、みんなの党は存続の危機に直面しそうだ。

 渡辺氏は会見で「党勢拡大のためにお金を借りた。違法性はないが、党に迷惑をかけたのは事実だ。党首としておおいに反省している」と辞任の理由を説明した。「一兵卒として邁進(まいしん)する」と強調し、代表復帰の可能性については「考えていない」と語った。

 渡辺氏は、吉田会長から参院選直前の10年6月に3億円、衆院選直前の12年11月に5億円を借りた。

 3月27日の説明では「個人的に借りた」とし、党に貸し付けた2億5000万円をのぞく5億5000万円の使途については説明を避け、「手元にない」としていた。

 ところが、7日の会見では、5億円分は夫人の口座で「保管していた」と説明を変えた。残りの5000万円を含め7日に全額を吉田会長に返済したという。

 渡辺氏は問題発覚後も代表続投の意向だったが、党内からも「説明責任を果たせていない」「党のイメージを傷つけた」などの批判が噴出。党最高顧問の江口克彦参院議員らが公然と代表辞任を求めるなど、代表辞任論が拡大していた。

 みんなの党は8日の役員会で後任の代表選びを進める。現有勢力は衆院9議席で、参院13議席。当面は浅尾慶一郎幹事長を中心に党運営を担う見通しだが、みんなの党は「渡辺商店」と呼ばれるほど渡辺氏が強い指導力を発揮してきただけに、党勢回復は困難とみられる。

 一方、DHCの吉田会長は「借りたお金をきれいに返済した上で党首を辞任したのは立派。問題は私に嘘をついたかもしれないことだが、嘘をつく政治家は数え上げればきりがない。注意してあげるだけの話だ」とのコメントを発表した。

 今後は、捜査当局の動向が注目されるが、「刑事責任追及には多くの壁がある」(検察幹部)とされ、捜査の長期化を予想する声も出ている。

 ポイントは渡辺氏が2012年11月にDHCの吉田会長から借りたとされる5億円の趣旨だ。選挙資金や政治資金に使ったとみなされれば、公選法や政治資金規正法に抵触する可能性もある。10年6月に借りた3億円はいずれの場合も既に公訴時効が成立している。

 ある検察関係者は「どちらの法律を適用するにしても、本人の選挙資金か、どこかの政治団体の金になっていないと罪に問えない。ハードルは高い」と指摘する。

 ≪維新・結い合流へ加速 野党再編、民主と主導権争い≫

 みんなの党の渡辺代表が辞任表明したことで、日本(にっぽん)維新の会と結(ゆ)いの党が合流に向けた動きを強めるのは確実だ。これに対抗する形で、党勢が低迷し続けている民主党は党再建を急ぐとともに、民主党主導の再編を模索することになりそうだ。野党間の主導権争いが激化することは避けられそうにない。

 「来春に統一地方選があるから、おのずとスケジュールは決まってくる」

 日本維新の会の橋下(はしもと)徹共同代表(大阪市長)は7日午前、結いの党との合流に向けた統一会派結成などの動きについて、着々と進める考えを記者団に示した。維新と結いで意見の違う集団的自衛権の問題についても「まとまると思う」と自信をのぞかせた。その強気な言いぶりは、午後に渡辺氏が代表辞任を表明することを予見しているかのようでもあった。

 維新の石原慎太郎共同代表はかねて野党再編に否定的な考えを示しており、再編に慎重な渡辺氏と「戦略対話」を進めていた。この動きに大阪維新の会系をはじめとする再編積極派は不快感を示していた。

 大阪系からは渡辺氏の辞任表明に対し「再編の流れは加速する」「みんなの党に残ったメンバーは丸ごと維新に合流してもらいたい」と歓迎する声が飛び交った。大阪系以外からも「渡辺さんという大きなトゲが抜けて、より大きな再編がしやすくなった」との声が上がった。

 これに対し、民主党内は「こういうときにこそ、民主党は再編を仕掛けなければならない」(中堅)と再編に慎重な海江田万里(かいえだ・ばんり)代表の背中を押す声が強まっている。これに呼応するかのように海江田氏に近い党幹部はこう言い放った。

 「野党再編は民主党が主軸だ」(SANKEI EXPRESS

 【渡辺喜美代表説明のポイント】

・8億円借金問題の責任は全て自分にあり、代表を辞任する。議員辞職と離党は否定。将来の代表復帰も考えていない

・未返済だった約5億5000万円の借金は4月7日中に全額返済。政界再編が起きたときの軍資金として5億円弱を妻の口座に移しており返済原資とした。ほかに親類縁者や知人らから融通してもらった

・借金は、党勢拡大に資する情報収集などに支出。年に約1000万円を個人的に使った。政治資金規正法、公選法に照らし、まったく問題ない

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