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元男役トップのさが? 堂々としすぎちゃう 瀬奈じゅんさんインタビュー

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元男役トップのさが? 堂々としすぎちゃう 瀬奈じゅんさんインタビュー

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宝塚の大先輩、鳳蘭と初共演。「稽古場では隣に座りなさといっていただき、いろいろ教えてもらっています」と話す瀬奈じゅんさん=2014年5月15日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)  □舞台「シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~」

 かつて宝塚歌劇団で男役トップを務め、人々の熱い視線を集めてきた瀬奈じゅん(40)にとって、場末のクラブにくすぶる売れない歌手、デロリス役は、少々、てこずるところがあるらしい。

 「オーディションで歌うシーンやちょっとしたしぐさなんかが、堂々としすぎちゃって。これまで積み重ねてきたものが体にしみついているんですね」と笑う。

 デロリスとは、大ヒット映画「天使にラブ・ソングを…」(1992年)で米女優ウーピー・ゴールドバーグ(58)が演じた役だ。瀬奈は、そのウーピーが製作プロデュースに加わり、2009年に英で生まれたミュージカル版「シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~」(山田和也演出)の日本初演で、森公美子(くみこ、54)とダブルキャストでデロリス役に。「お互いにすごいなというところをまねしあい稽古はいい感じ。その上で、私は私のデロリスで、映画以上のものをお見せしたい」と挑んでいる。

 初心に帰った気持ち

 舞台は1970年代の米フィラデルフィア。殺人現場を目撃しマフィアに命を狙われたデロリスがかくまわれたのは、規律厳しい修道院。修道女(シスター)とは生き方も考え方も真逆のデロリスだが、聖歌隊の下手な歌に絶句し、特訓を買ってでるように。やがてデロリスと修道女たちは声と心を重ねるようになる。

 実際に瀬奈もシスター役の俳優たちと声を重ねて稽古をしながら「初心に帰ったような気持ちになった」という。

 「曲が歌えるようになってみんなで喜んだり、みんなが輝けるにはどうすれば、と考えるうち、家族みたいに仲間と過ごした宝塚時代がよみがえりました。デロリスがシスターに成長させてもらったように、私も宝塚に育てられたんだって思います」と、100年の歴史を重ねた歌劇団で過ごしたころに思いをはせる。

 地声でパンチ利かせ

 パンチのあるデロリスの歌唱は見どころだが、瀬奈は今回、地声で挑む。「細い裏声よりも、地声のほうがゴスペル、ソウルミュージック的なパワーが伝わりやすいから」。楽曲を手がけるのはディズニー映画「アラジン」「美女と野獣」などでの名作曲で知られるアラン・メンケン。「70年代のディスコサウンドや、ファンタジーの要素などいろんな曲調を織り交ぜていて、メンケンさんは天才的」とほれ込む。

 先月(4月)、40歳になったが、今後は「年相応のいい年輪を重ねたい」と考えている。「かつて演じたアンナ・カレーニナのように、また子供のいる役を演じたいです。女優にとって、一番大切なものは母性だと思うんです。周囲の、どんな人に対しても母性的な感情を持っていたいですね」(文:津川綾子/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS

 ■せな・じゅん 1974年生まれ。東京都出身。92年に宝塚歌劇団に入団し「この恋は雲の涯まで」で初舞台。ダイナミックなダンスはショー作品で早くから注目を集め、2005年、「JAZZYな妖精たち/REVUE OF DREAMS」で月組トップスターに。09年の宝塚退団後は女優としてミュージカル、ストレートプレイのほか、テレビドラマなどでマルチに活躍。12年に菊田一夫演劇賞演劇賞、岩谷時子賞奨励賞を受賞。

 【ガイド】

 6月1日~7月8日 帝国劇場(東京)。7月12、13日 厚木市文化会館大ホール(厚木市)。ともに東宝テレザーブ(電)03・3201・7777。7月25~29日 シアターBRAVA!(大阪)。劇場(電)06・6946・2260。ほか盛岡、仙台、名古屋公演あり。

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