変わらない美貌と抜群のスタイルで、圧倒的な支持を得てきたトップモデル。４月２４日、モデルデビュー２０周年を記念し、宝島社から「ＳＨＩＨＯ　ＡＮＤ　ＧＲＥＡＴ　ＣＲＥＡＴＯＲＳ～５０人のサクセスストーリー～」を出版した。

　人気ファッション誌「ｓｗｅｅｔ」の連載で対談したデザイナー、アーティストなど一線のクリエーター４９人に、「仕事で成功する秘訣（ひけつ）」を改めてインタビュー。写真家の蜷川実花（にながわ・みか）さん、ファッションデザイナーの丸山敬太さんらそうそうたる顔ぶれで、５０人目に自身が登場し、モデルとしての２０年を振り返っている。

　「２０年の経験があったからこそ撮影できたファッション写真と、その中で出会ってきた多くの人に夢がかなうまでの道のりを語ってもらいました。好きなことを仕事にするって難しい。だけど諦めないで続けていれば夢はかなうことを読者に伝えたかった。これから進む道を決める、１０代の若い人たちにも読んでほしい」

　インタビューを通じ、気づいたことや学んだことが「たくさんある！」という。「誰もが自分の将来について考えているんだけれど、得意なもの、好きなことを冷静にとらえ、戦略的に行動しているんです」

　また、「グサッと来た」のは「おごりが出た瞬間、成長が止まる」という言葉。「わー、分かる、と（笑）。何も知らなかった若いころのほうが、いろいろ教えてもらったり吸収したりして、成長していると感じられた」

　多くのクリエーターが強調している「人と縁の大切さ」にも共感した。「私も人との出会いや、いただいたチャンスをきっかけに道が開けた。モデルを続けられているのは、こうした縁の積み重ねです」

　そもそも１７歳でモデルの道に入ったのも、母親の勧めがあったから。「私は（細身で）ひょろ長く、マッチ棒みたいと周りから言われていた。でも母に『モデルになったら』といわれたおかげで、体形を生かせる職業を見つけることができたんです」。この助言がなければ、モデル・ＳＨＩＨＯは誕生していなかったかもしれない。

　その後、活躍の領域は、女優業やトーク番組のＭＣなどに及び、洋服やバッグ、ジュエリーのプロデュースも手がけてきた。ヨガやジムでのトレーニング、しっかりした睡眠、食事を心がけ、美しさには、年を追うごとに磨きがかかっている。

　結婚、出産も経験し、「日々がより大事なものになった」。実は、長女（２）は韓国で「かわいい」と大人気で、テレビ番組に引っ張りだこ。「将来は日本語、韓国語、英語を使い分け、海外でも通用するエンターテインメントのお仕事ができれば」と笑みがこぼれる。

　自身のこれからの目標は、「モデルとしてはもちろん、一人の女性としても、すてきでいられるよう、暮らしや家族との時間など何げない日常をより大事に過ごしていきたい」。そんな生活スタイルを充実させるための提案・発信をライフワークにしたいとも考え、新しいブランドの立ち上げも計画している。

　「仕事を終えた後、家の中でリラックスするための洋服やバスグッズ、ベッドリネンなど、生活を充実させるためのモノ作りができればと考えています」。夢を追う旅は、まだまだ続きそうだ。（文：山口暢彦／撮影：フォトグラファー　大石一男／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）

　■しほ　１９７６年、滋賀県草津市出身。地元高校に在学中の１７歳で、プロのモデルとしてデビュー。１８歳（高校３年）のとき単身上京する。その後、「ＭＯＲＥ」など数多くの雑誌に登場し、カリスマモデルの地位を確立した。並行して数多くのテレビ番組やＣＭなどに出演。ＮＨＫのトーク番組「トップランナー」（２００８～１０年）では司会をつとめ、ＴＢＳ系ドラマ「ＭＲ．ＢＲＡＩＮ」（０９年）でも重要な役どころを好演した。０９年、結婚し、１１年、長女を出産。その後の２カ月で１０キロの減量に成功したエクササイズ法を紹介した著書『トリニティスリム“全身やせ”ストレッチ』は、発売２カ月で１２万部を突破した。身長１７３センチ、血液型はＡ型。

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