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【米男子ゴルフ】「松山伝説の始まり」 米ツアー初V
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米オハイオ州 男子ゴルフの松山英樹(22)が6月1日、米オハイオ州ダブリンで行われたメモリアル・トーナメント最終ラウンドで69をマークし、通算13アンダーの275で米ツアー初優勝を飾った。日本男子の米ツアー優勝は青木功(71)、丸山茂樹(44)=3勝、今田竜二(37)に次ぐ6年ぶり4人目(6度目)で、22歳は最年少。松山にとっては米ツアー通算26戦目での勝利だった。大会ホストを務めたメジャー通算18勝(史上1位)を誇る帝王、ジャック・ニクラウス(74)は、“松山伝説”の始まりを予言した。
この日、3位でスタートした松山は単独首位で迎えた16番(パー3)、池に入れるアクシデントに見舞われ、痛恨のダブルボギー。17番もボギーとし、計2ホールで3つ落とす中、韓国生まれの実力派、ケビン・ナ(30)に首位を奪われた。しかし、松山は18番、第2打(165ヤード)を「一番練習してきた」というミドルアイアンで約1.5メートルにつけると、4日連続となるバーディーフィニッシュで締め、ナと並んだ。
息詰まるプレーオフ。松山はドライバーを折ってしまったため、3Wを選択し強振するも、バンカーへ。一方、ナもティーショットを大きく曲げクリーク(小川)に入れるなど乱れた。松山は2打目、左にミスしたが、観客に当たってボールが戻る幸運で大トラブルを回避。3打目を手堅く決めると、最後の下り3.5メートルをきっちり沈め、逃げ切った。
松山は「いやー、うれしいですね。こうやって早く優勝できて良かった」と、よく日焼けした顔をほころばせた。そして、「緊張はしてないと言ったらうそになると思うけど、そんなに緊張している感じはなかった。米ツアー優勝はうれしいが、まだまだ納得できないプレーもあった。次の優勝への課題として、あしたから頑張っていきたい」と早くも気を引き締めた。
松山が「その後を追い掛けてここまできた」と意識し続けてきたライバル、石川遼(22)はこの大会、通算1オーバーの57位に終わった。試合後、石川はさっそく自身の公式ホームページを更新し、「英樹が勝ちました! 英樹&チームの皆さんおめでとうございます。けど! けど! 悔しいです。悔しいと思うなら、上手くなってみろ!って自分に言います。言いました。これが今の気持ちです」と、奮い立たせるように素直な心境をつづった。
激戦を制した松山を間近に見つめたジャック・ニクラウスは「今後10年、15年にわたって世界でベストプレーヤーの一人になる選手の始まりをみんなが見たのだ」と、最大級の賛辞を贈った。
次は12日から始まるメジャーの一角、全米オープン。松山は浮かれず「メジャーでこんなプレーをしたら優勝は遠ざかっていく」と終盤の失速を省みた。(SANKEI EXPRESS)