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歴代王が眠る世界遺産の街 デンマーク・ロスキレ

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歴代王が眠る世界遺産の街 デンマーク・ロスキレ

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 【Viva!ヨーロッパ】

 デンマーク東部の深く入り込んだフィヨルドの最奥部に位置する街・ロスキレ。この街の“顔”となっているロスキレ大聖堂には歴代のデンマークの王・王妃が眠り、1995年には世界遺産に登録された。そのほか大学やロックフェスティバルでも有名で、デンマークを代表する街だ。

 フィヨルドの最奥部

 氷河によって浸食された地形であるフィヨルド。ノルウェーの深く切り立った崖に挟まれた狭い水路、というイメージを持つかもしれないが、デンマークのフィヨルドは、一見流れがないちょっとした川のようであり、親しみやすい。デンマーク人の先祖であるバイキングは、敵に攻め込まれにくいフィヨルドの最奥部に街を築いた。その一つがロスキレである。

 ロスキレの街はおよそ1000年前に始まった。「ロー(Ro)」の「泉(kilde、キレ)」から名付けられたとされ、今でも泉が湧いている。

 フィヨルドの海岸には、バイキング船博物館があり、多くの観光客を集めている。そこから少し上がった高台に大聖堂がそびえ立ち、その周辺に繁華街が広がる。

 ひつぎを目の前で鑑賞

 伝説によれば、大聖堂は西暦980年代にデンマークのハラルド青歯王を葬る教会として建設された。1020年には司教座が置かれ、大聖堂となった。当初は木造だったが、12世紀ごろにレンガ造りとなった。これ以降、北欧ではレンガを使ったゴシック様式が広まって行った。

 15世紀からは、歴代の王や王妃が葬られるようになる。聖堂内には現在、39人の王や王妃のひつぎが所狭しと置かれている。最初からこれだけのひつぎを置くことが想定されていたわけではないため、両脇に部屋の増築が繰り返されてきた。

 堂内の祭壇真裏には、14~15世紀にかけてスウェーデンとノルウェーを支配下におき、デンマークを北欧の盟主に仕立て上げたマルグレーテ1世女王(1353~1412年)のひつぎが堂々と置かれている。一方、建築王とも称され、歴代でも名君と称されるクリスチャン4世(1577~1648年)のひつぎは、他の王や王妃のひつぎと並んで脇の部屋に置かれ、目の前にすることができる。荘厳な雰囲気の中に、日本では考えられない高貴なものへの身近さを感じる場所である。

 学生でにぎわう学園都市

 大聖堂横の広場では毎週水曜日と土曜日に市が催され、多くの人でにぎわう。街にはデンマークにある8大学の一つ、ロスキレ大学がある。街の人口規模約4万9000人に対して学生数は1万4000人余りと若者がとても多く、学園都市のにぎわいをみせている。

 さらにデンマーク国内では最も有名な音楽祭「ロスキレフェスティバル」が毎年6、7月に開かれる。わずか1週間程度の間に毎年10万人以上が訪れる。まさにロスキレは、デンマークの古今を通した歴史と文化が詰まった街であった。(国民高等学校「日欧文化交流学院」(デンマーク名=ノアフュンス・フォルケホイスコーレ)学院長 銭本隆行、 写真も/SANKEI EXPRESS

 ■デンマークの宗教 国教として、福音ルーテル派のキリスト教(プロテスタント)を定めている。国王を長とし、国民の80%以上が国教会のメンバー。国教会の財政はメンバーからの教会税によって賄われている。

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