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社会
ゲリラ豪雨予測 20年実現へ産官学結集
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土砂が流れ込んだ自宅から家具や衣類を運び出す住民。山から押し流されてきた大きな樹木の間をなお大量の水が流れ続けている=2014年8月23日午後、広島県広島市安佐南区緑井(松永渉平撮影) ゲリラ豪雨や土砂崩れなど異常気象による災害が激化していることを受け、政府が、突発的な自然災害に対する早期予測システムの構築に乗り出すことが8月23日分かった。大学や研究機関が持つ技術を結集して開発する計画で、2015年度の概算要求に盛り込む。ゲリラ豪雨については20年までに、雨が降り始める前の予測を目指す。広島市の土砂災害では、積乱雲が連続して発生する「バックビルディング」という現象が起き豪雨になったとみられるが、現状では予測は困難だ。
計画は防災科学技術研究所(茨城県つくば市)を中核として、文部科学省や国土交通省、気象庁などの関係省庁や大学、民間企業が連携する態勢を整える。研究者は身分を保ったまま防災科研と兼任し、一つのチームとしての運用を検討する。
研究チームは、水蒸気を測るマイクロ波放射計と雨を捉えるレーダーを組み合わせ、積乱雲の発生をいち早く検知する技術を開発する。その情報を基に積乱雲の発達や行方をシミュレーションし、雨が降り出す1時間前に豪雨を予測する。
積乱雲によって起きる竜巻の予測も精度を上げる。現在は基本的に都道府県単位の予報だが、市町村単位での予測を目指す。大雪やひょう、落雷なども研究を進め、地域の特性に合わせた局地的な予報などを実用化する考え。
ゲリラ豪雨に関しては、気象庁がレーダーによる観測や予測を進めているが、現状では災害に十分対応できていない。計画ではゲリラ豪雨の予測も活用し、土砂崩れの危険度をリアルタイムで予測することにも取り組む。土砂災害予測は30年ごろの実現を目指す。
≪広島土砂崩れ 死者46人、不明41人に≫
広島市の土砂災害で、広島県警は8月23日、新たに5人の遺体が見つかったほか、重体だった男性1人も死亡し、死者が46人になったと発表した。安否不明者と連絡が取れるなどしたため、行方不明者は6人減って41人。身元が判明している死者は計38人となった。
23日未明に生存率が著しく下がるとされる発生から72時間が経過したが、警察、消防、自衛隊は計約3000人の態勢で捜索を継続した。発生から初めての週末を迎え、1000人以上のボランティアもがれきの撤去などを行った。被害が甚大だった安佐北区(あさきたく)、安佐南区(あさみなみく)では(8月)20日未明から約6万9000世帯、約16万4000人を対象に避難勧告・指示が続いている。(SANKEI EXPRESS)