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政治
幹事長に谷垣氏 女性閣僚は5人 きょう改造内閣発足
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自民党役員会に臨む安倍晋三(しんぞう)首相=2014年9月2日午前、東京都千代田区永田町の自民党本部(酒巻俊介撮影) ≪「安倍カラー」と「挙党態勢」の両立に腐心≫
来春の統一地方選を乗り切った上で来秋の自民党総裁選で再選され、盤石な政権基盤を確立する-。今回の内閣改造と自民党役員人事は、安倍首相(党総裁)が一連の政治日程を乗り越えるための重要な意味合いを持つ。「安倍カラー」の確立と「挙党態勢」の構築の両立に腐心しているが、両立は容易ではなく、谷垣氏で固まった要の幹事長人事は難航した。
「人心を一新し、日本を取り戻す戦いの第2章に臨むため、内閣改造と合わせ党役員についても人事を一新する。この際、一任を願いたい」
2日午前に党本部で行われた役員会で首相はこう語り、態勢強化に向けた決意を語った。
この時すでに固まっていた、総務会長に二階(にかい)俊博衆院予算委員長、政調会長に稲田朋美行政改革担当相を起用する人事からは、首相の狙いが透けてみえる。高市(たかいち)早苗政調会長も稲田氏も首相と思想・信条が近い。2代続けての保守系の起用は「政策面では譲らない」という意思の表れだ。
政治日程に目を向けると10月に福島県知事選、11月に沖縄県知事選が控えている。来春の統一地方選と合わせ、首相は執行部に「選挙巧者」を据える必要があった。地方選でも、その後に通常国会で本格化する集団的自衛権行使容認を含む安全保障関連法案の審議でも、公明党の協力は欠かせない。そのための人材として白羽の矢が立ったのが、重鎮の二階氏だった。
対照的に、通常は真っ先に決まるはずの幹事長人事は、なかなか固まらなかった。
「総務会長と政調会長が先に決まり、外堀を埋められて『やってくれますか』という例はあまり聞かない。どうなっているんだ」
2日夕になっても明らかにならない幹事長人事をめぐり、党内からはそんな声が飛び交った。
「ポスト安倍」の有力候補とされる石破(いしば)茂幹事長を続投させなかった真の狙いは、気心の知れた人物を据え、政府と党の連携を強化することにある。だが、自らの意を体現でき、党を束ねられる人物を探すのは容易ではなかった。
消えては浮かび、浮かんでは消える-。首相の盟友、甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相や、思想は異なるが当選同期で信頼する岸田文雄外相はその象徴といえる。甘利氏は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉、岸田氏は北朝鮮による拉致被害者らの再調査をめぐる日朝交渉を抱えており、首相は2人の留任を早々と決めていた。ところが、気持ちは揺らいでいった。
内閣改造の全容が固まるまでに時間がかかったのもそうした事情がある。
そんな中で、自民党の西川公也(こうや)TPP対策委員長らを入閣させることにしたのは、党内に鬱積する「入閣待機組」の不満を少しでも解消するためだ。小渕(おぶち)優子元少子化担当相ら女性議員の閣僚起用は、新成長戦略の柱に据えた「女性の活躍推進」を自ら示す意味合いがある。思想的に近い下村博文(しもむら・はくぶん)文部科学相の留任は、首相がいかに教育改革を重視しているかの表れといえる。
安倍晋三首相(59)は3日に行う自民党役員人事と内閣改造で、焦点だった党幹事長に谷垣禎一(さだかず)法相(69)を起用する方針を固めた。総裁経験者の幹事就任という前例のない人事で挙党態勢を構築するのが狙いだ。稲田朋美行政改革担当相(55)を党政調会長、二階俊博衆院予算委員長(75)を党総務会長に起用する方針。
内閣改造では、松島みどり経済産業副大臣(58)が入閣する方向。女性閣僚は5人と過去最多に並ぶ。塩崎恭久(やすひさ)元官房長官(63)も入閣し、下村博文文部科学相(60)は留任する見通し。
稲田氏は首相に近い保守派の論客として知られ、衆院当選3回での異例の抜擢(ばってき)となる。第2次安倍内閣発足とともに行革相に任命され、今年5月の内閣人事局の創設に尽力した。
二階氏は第1次安倍内閣で国対委員長、総務会長を務めている。選挙対策に明るい上、公明党とのパイプも太い。衆院当選10回の二階氏を党四役に配置し、稲田氏とのバランスを図ったといえそうだ。
松島氏は衆院当選4回で、外務政務官や国土交通副大臣を歴任した。女性ではすでに高市早苗政調会長(53)、小渕優子元少子化担当相(40)、山谷(やまたに)えり子参院政審会長(63)の入閣が固まっている。
塩崎氏は首相と旧知の間柄で、第1次安倍内閣で官房長官を務めた。下村氏は2日の記者会見で、自ら兼任する文科相と五輪担当相の分割案について「今回の内閣改造で分けるのではないと承知している」との見解を示した。
党人事では高村(こうむら)正彦副総裁(72)、細田博之幹事長代行(70)が留任の見通し。党内では選対委員長を廃止し「四役」から「三役」に戻す案も検討されたが、最終的に四役態勢を維持する。
首相は3日午前に新四役を決め、午後に公明党の山口那津男(なつお)代表(62)との与党党首会談を経て官邸に組閣本部を設置する。(SANKEI EXPRESS)