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科学
アマゾン守れ 巨大タワーで気候観測 地球温暖化との関連性解明へ
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ブラジル・アマゾン地方 アマゾン川流域に広がる世界最大の熱帯雨林と地球温暖化などの気候変動の関係を解明するため、その中心部に高さ325メートルの巨大なタワーを建設する計画が始動した。ブラジル紙が15日までに報じた。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の吸収量を観測するほか、気候変動によるアマゾンの生態系への影響を調査する。地球にとってアマゾンの熱帯雨林が欠かすことができない貴重な存在であることを明らかにし、伐採や開発による森林破壊に歯止めをかけるのが狙いだ。
ブラジル紙エスタド・ジ・サンパウロが報じ、フランス通信(AFP)や英BBC放送などが伝えた。それによると、建設されるのは「アマゾン・トール・タワー観測所(ATTO)」。ブラジルの国立アマゾン研究所とドイツのマックスプランク研究所が共同プロジェクトとして進めている。
計画のコーディネーター、アントニオ・マンジ氏がサンパウロ紙に明らかにしたところによると、ブラジル北西部アマゾナス州の州都マナウスから約170キロ離れた場所に建設することを決定。約4000キロ離れたブラジル南部から建設用の鉄骨など資材をトラックといかだで現地に運び入れたという。
巨大タワーは、その周辺数百キロの範囲の熱帯雨林の観測が可能。ハイテク機器を駆使し、気温や湿度の変化のほか、CO2吸収量などのデータを収集。風や雲の形成といった気象観測も行う。
マックスプランク研究所のユルゲン・ケセルメイヤー氏はBBCに「観測地点は人間生活の影響を直接受けず、熱帯雨林と大気の関係を調査するのに理想的な場所だ」と説明。サンパウロ大学のパウロ・アタクソ氏も「地球規模の気候変動に関する無数の質問に答えを導き出すだろう」と期待を寄せた。
ブラジルを中心に総面積約550万平方キロにも及ぶアマゾン川流域の熱帯雨林は、光合成によって大量のCO2を吸収し、酸素を放出している。伐採や開発により、その面積は減り続けており、地球環境への影響が懸念されている。一方で、多様で繊細な生態系を持ち、開発に加え、気候変動によって深刻な影響が出ているという。巨大タワーには、CO2吸収と酸素放出のバランスなど未知な部分が多い、アマゾン熱帯雨林の謎の解明が期待されている。
米航空宇宙局(NASA)も今年7月にCO2を観測する衛星「OCO-2」を打ち上げ、宇宙からアマゾン熱帯雨林などでのCO2の吸収メカニズムを解明する調査に乗り出した。
ブラジル政府の発表によると、アマゾン熱帯雨林の年間消失面積は2013年が5891平方キロと、前年に比べ29%も増加した。09年以降、消失面積は減少傾向にあったが再び増加に転じたという。
アマゾン熱帯雨林の減少が、地球温暖化などの気候変動に与える影響を早急に解明し、森林破壊阻止の機運を高めることが急務となっている。(SANKEI EXPRESS)