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【勿忘草】泣けるCM

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【勿忘草】泣けるCM

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 お母さんはよその人の電話には甲高い声で愛想がいいのに、後ろでテレビを見ている息子には「うるさいよ」と低音ですごむ。お母さんは息子の服を勝手に着ては「どうお?」と悦に入る。お母さんは、お母さんは…。こんな母親にまつわる、よくある光景をつづったコマーシャルが毎週、流れている。「家族の絆・母とは」。関東地区で土曜朝に放送される「食彩の王国」(テレビ朝日系)で流れる東京ガスの90秒枠の長いコマーシャルだ。

 このシリーズは名作ぞろいで、先頃まで流れていたのは「家族の絆・ばあちゃんの料理」。フジサンケイグループ広告大賞のメディア部門でテレビ・最優秀賞を受賞した。おばあちゃんの料理を「古くさいから」となじる孫に、草村礼子さん演じる祖母が謝る「悪いことしたね」というセリフには、どんなひねくれ者も必ず泣く。家族の絆シリーズは他の作品も最優秀賞と優秀賞を受けている。

 10月から始まった今回の家族の絆シリーズで、お母さんを演じるのは渡辺えりさん。息子のナレーションで、お母さんの「あるある」を描く。

 「ご飯できたわよ」と呼ぶから台所に行くとまったくできていなかったり、飼い犬ばかりかわいがったり、「彼女できたでしょ?」とやけに勘が鋭かったりする描写がおかしい。しかし次第に、息子に「早く寝なさい」といいながら米をとぎ、早朝から朝食を準備するシーンでシリアス度が増し、「そして…いつの間にか年を取ってる」というナレーションとともに、老けた姿が映し出される。すでに数回見ているが、毎回「いつの間にか年を取ってる」で涙腺が緩む。同じような経験があるからだ。

 家族の中で日々起こることといえば、取るに足らないことばかり。そんな小さなできごとを丁寧にすくい取って紡いでいくと、90秒で見ている人の胸をいっぱいにさせることができる。「日常」の積み重ねが、その人にとってどんなに大事か、身にしみる。

 番組はBS朝日でも日曜夕方に放送され、60秒バージョンのコマーシャルが流れている。60秒も90秒も東京ガスのホームページで視聴できる。何だか「日常」の良さを見失いがちになっている今、一度見てほしい、とすでに母を亡くした身は思う。(小川記代子/SANKEI EXPRESS

東京ガスのホームページ http://tv.tokyo-gas.co.jp

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