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政治
【サンゴ密漁】罰金引き上げで抑止
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排他的経済水域(EEZ)での外国漁船摘発の流れ=2014年11月6日現在、※漁業主権法に基づき最大で1000万円の罰金 小笠原諸島や伊豆諸島(東京都)周辺で中国漁船によるサンゴの密漁が横行している問題で、水産庁が取り締まりの実効性を高めるため、関係法令の罰金や逮捕された船長らが釈放条件として支払う担保金を引き上げる方向で検討に入ったことが6日、分かった。菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)も6日の記者会見で「罰則強化や担保金の引き上げを関係省庁と早急に検討したい」と述べ、法改正に意欲を示した。
中国漁船によるサンゴの密漁に歯止めがかからない現状に「現行の罰金では低すぎる」といった批判が噴出しており、政府は関係法令の厳罰化により抑止力の強化を図りたい考えだ。
水産庁が法改正を検討しているのは「漁業主権法」「外国人漁業規制法」「漁業法」の3法。漁業主権法では、排他的経済水域(EEZ)で無許可操業などを行い摘発された場合、最大で1000万円の罰金が科される。漁業主権法に基づき、逮捕された船長らが釈放条件として支払う担保金は、具体的な金額は非公表だが、EEZでの無許可操業の場合は400万円前後とされる。
とりわけ問題視されているのは、担保金の低さだ。横浜海上保安部が10月に漁業主権法違反(無許可操業)容疑などで逮捕した中国人船長は、昨年3月にも沖縄県・宮古島沖で漁業主権法違反容疑で現行犯逮捕され、担保金を払って釈放されていた。そのため、担保金の額が数千万円にも及ぶ密漁での違法利益に比べて低すぎ、抑止効果につながっていないとの批判が高まっている。
領海内での外国船舶による漁業を禁止する外国人漁業規制法(罰則は3年以下の懲役か400万円以下の罰金など)についても、罰金を引き上げるなど厳罰化する方向で検討を進めている。水産庁は現在、漁業関係以外の法律に定められた罰金と比較しながら引き上げ幅を検討している。罰則強化をめぐっては、自民、公明両党も議員立法で罰金の大幅引き上げを検討している。
一方、海上保安庁は6日、中国漁船計12隻が台風20号の影響を避けるため、小笠原諸島周辺の領海(約22キロ)内に停泊しているのを確認した。
周辺海域は波が高く、海保は人道上の観点から台風の影響が弱まるまで領海内への緊急避難を認めたが、島に不法上陸しないよう監視を強めている。
海保によると、台風の接近で、船団の大半は影響の少ない南東の海域などに退避。6日朝には小笠原諸島の領海内に13隻が残っているのを確認し、午後3時現在では12隻に減った。
外国船が領海内に避難する場合、海上保安部署などに事前申請するのがルールだが、この12隻は申請していなかった。海保は波が高く中国漁船に近づけないため、停泊理由を申請するよう呼びかけている。
台風20号は6日、小笠原諸島の父島や伊豆諸島の八丈島などに接近した後、北上を続けた。今後も速度を上げながら日本の東海上へ遠ざかり、7日に温帯低気圧に変わる見通し。
≪中国「重大性を認識」≫
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は6日の記者会見で、中国船によるサンゴ密漁問題をめぐり、中国が日本政府の再発防止申し入れに対して「重大性を認識しており、漁民の指導や対策に取り組んでいる」と回答していることを明らかにした。
菅氏は、木寺昌人(きてら・まさと)駐中国大使(62)が3日に中国の王毅(おう・き)外相(61)に対して、書面で再発防止の必要性と遺憾の意を伝えたと説明。同時に、中国側には「さまざまなルートで遺憾の意を表明している」と述べた。
日本側から密漁の状況に関する情報を中国側に提供していることも明らかにした上で、「中国側はそれなりの対応をしている。形だけ(の対応)ではない」との見方を示した。
一方、11月6日付の中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は「台風で中国漁船に危険が及んだ場合、日本は人道主義に基づき安全を確保すべきだ」との社説を掲載した。
台風20号が接近する中、太田昭宏国土交通相は「(密漁船が小笠原諸島に)上陸しないよう厳重に指導する」と発言しているが、社説は日本が乱暴に対応すれば両国関係の緊張が高まると指摘。「多少の面倒は受け入れ、大きな面倒を避けるべきだ」と強調した。
また、中国政府は他国の海域での違法操業を取り締まっていると強調。「ただ監督するのは外から想像するほど簡単ではなく、管理しきれないのが実情だ」と指摘した。(共同/SANKEI EXPRESS)