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漫画家による仏の世界展 「被災者に元気を」広がる参加者の輪
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第一線で活躍する漫画家たちが描いた個性あふれるユニークな仏の絵に見入る人たち=2014年11月8日、東京都墨田区の回向院(田中幸美撮影) 漫画家が描いた個性あふれる仏の絵を集めた「漫画家による仏の世界展」が東京・両国の回向院(えこういん)で開催されている。漫画の祖といわれる「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」が生み出された京都を皮切りに、巡回展示して今回が4回目。東日本大震災の支援の一環で、漫画で犠牲者を供養し、被災者を元気づけようと企画された。
漫画家による仏の世界展実行委員会の和田敬一事務局長(46)によると、漫画家が仏の絵を描いたら独自性の高い面白い作品ができるのではと以前から構想があった。そこに2011年3月、東日本大震災が起こり、漫画家から「なにか被災地を元気づけることはできないか」という声が上がり、温めていた企画の実現に至ったという。
今年4月に公益社団法人となった「日本漫画家協会」(ちばてつや理事長)を通して呼びかけたところ、多くの漫画家が賛同。当初、自分が描く漫画と仏があまりにもかけ離れているので遠慮する漫画家もいたが、他の人が自由に描いてるのを目にして、筆を執るようになった漫画家も。
3月に開催した第1回の京都・東寺(教王護国寺)では約50点だったが、東京都港区の増上寺(5月)、千葉県成田市の成田山新勝寺参道沿いにある梅屋旅館(8月)と回を重ねるごとに漫画家の輪が広がり、今回は60人の漫画家による70点の作品が集まった。本宮ひろ志、小島功(こう)、森田拳次(けんじ)、南久美子、木村直己(なおき)は、2点目も制作。
描くにあたって気持ちを入れ替え、中には冷水を浴びて身を清めるなどみそぎをしてからキャンバスに向かった漫画家もいたという。また、「これからは自分のライフワークにしたい」「良い機会を与えてくれてありがとう」と感謝の意を表す漫画家も。
展示作品は、基本的にはB3サイズ。作品のタイトルや、作品に対する思いやコメントが添えられている。
≪多彩なタッチ 個性あふれる世界観≫
自分の描くキャラクターと仏を合体させた作品や、キャラクターを仏界に置き換えて創作したものなど表現方法はさまざまだ。ほとんどの作家が描くにあたって文献などで入念な下調べを行い、現存する仏像や仏画をモチーフにするなどした。
「描いているうちに、どんどん自分の子供の頃のような感じになっていきました」(植田まさし)、「自然災害が減りますようにと、祈りを込めて描かせていただきました」(大石容子)、「とまどいつつもエロい観音さまを描いてやろうじゃないかと燃えました」(江口寿史)と思いもさまざまだ。会場では、作品の前で手を合わせる人や涙しながら数時間もかけて鑑賞する人もいるという。
会場では作品のポストカードや図録のほか、ジークレー(複製画)も販売している。また、京都の伝統工芸である西陣織で制作した複製画も受注販売している。
和田事務局長によると今後、国内で被災地を含む数カ所を巡回した後に、来年は海外での開催を目指しているという。(田中幸美(さちみ)、写真も/SANKEI EXPRESS)
■「漫画家による仏の世界展」 2014年11月24日(月)まで、東京都墨田区両国2の8の10、回向院本堂2Fホールにて、午前10時~午後5時(午後4時30分まで入場可)。入場料500円(同時開催の地福寺出開帳との共通拝観券、小学生以下無料)。展示会場のスペースの都合上、全作品を11月15日(土)までの前期と11月16日(日)からの後期に分けて展示する。
いがらしゆみこ、池上遼一、植田まさし、うえやまとち、浦沢直樹、大石容子、荻野真、御茶漬海苔、木村直巳、小島功、さいとう・たかを、阪本牙城、里中満智子、ジョージ秋山、菅ナオコ、辻下浩二、中山星香、永野のりこ、西村宗、花村えい子、林家木久扇、臂美恵、藤井龍二、牧野圭一、南久美子、本宮ひろ志、柳生柳、矢野徳、山根青鬼、六田登
赤塚不二夫、天野誠、石川サブロウ、板橋しゅうほう、ウノ・カマキリ、江口寿史、桜多吾作、一峰大二、香取正樹、クミタ・リュウ、佐伯かよの、志賀公江、ちばてつや、土山しげる、手塚治虫、てふてふ、寺沢武一、二階堂正宏、西田淑子、新田たつお、バロン吉元、ビッグ錠、牧美也子、三浦みつる、宮島幸次、森田拳次、矢野功、山田ゴロ、渡辺みちお