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国家を大切にし、安泰を願うこと 鈴木日宣

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国家を大切にし、安泰を願うこと 鈴木日宣

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日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=千葉県内(財満朝則撮影)  【尼さんの徒然説法】

 冷たく乾いた風に吹かれて、枯れ葉たちが庭の隅に集まっています。カサカサコソコソと、いったいどんな内緒話をしているのでしょう。竹ぼうきを持った手を休めて、つい耳をそばだててみたくなる、そんな季節です。

 自衛もままならない現状

 四季の移り変わりを感じながら、こうした何気ない毎日を当たり前のように私たちは過ごしています。内戦や政情不安定の国々に比べ、日本はなんて平和なのだろうとしみじみ思います。しかし今日本を取り巻く現状を直視するとき、私たちの国だけがこのまま何事もなく過ごせるものでしょうか。じわじわと日本の領土が侵されつつあることを皆さまもご存じのことと思います。日蓮聖人「立正安国論」という書の中で「国亡び人滅せば仏を誰か崇(あが)むべき、法をば誰か信ずべけんや。先(ま)ず国家を祈って須(すべから)く仏法をたつべし」と仰せになりました。私たち仏教者にとって一番大切な仏様の教え。国家が亡び、国民が滅してしまったら、仏法を継承していくことができません。この大切な教えを私たち仏教者は次世代のために守る使命があります。

 ですから日蓮聖人は「国家を大切にし、安泰を願いなさい」と仰せになるのです。皆さまにも守りたい大切なものがたくさんおありになることと思います。日本が「戦争はいけません。話し合いましょう」と言っても耳を貸さず、他国が攻撃をしかけてきたら、とお考えになったことはあるでしょうか。現に北朝鮮は日本に向けてミサイルを撃ってきています。

 軍隊を持たない日本において頼りになるのは言うまでもなく自衛隊です。しかし有事の際、自衛隊が防衛のために反撃する行為は憲法9条によって歯止めがかけられています。憲法9条には自衛権、自衛軍についての規定がありません。

 銃口を向けられても撃たれてからでないと反撃できない現行法では防衛する自衛隊員の生命も危うくなります。いま危機的状況の中で自衛することもままならない憲法であるなら、一刻も早く改憲する以外方法はないものと私は思います。

 米国依存から離れるとき

 「日米安保条約があるから米国が守ってくれる」と思っている方がいますが、米国議会で交戦権の承認が得られなければ行使はされず、必ず日本は守られるという保障はないそうです。「自国の防衛は自国でする」というのは世界の常識といわれています。

 日本はもう米国依存から離れ、日本だけの防衛力で国を守れるようにすべき時にきているのではないでしょうか。物騒な世の中です。二重三重の施錠をしたり、防犯カメラを設置しているご家庭もあることでしょう。セキュリティーを強化し、大事なものを守ろうとする自衛本能は人も国も同じだと思います。現時点においては相手につけいる隙を作らない防衛力を持ち、有事の際には速やかに私たち国民を守ってくれる日本であってほしいと願っています。いつか全世界の争い事が無くなり、防衛の必要のない平和な世の中が訪れることを祈りつつ…。

 ≪日本が発信する「世界平和への道」≫

 日本人は天皇を中心として一致団結できる比類なき民族性をもち、好戦的ではなく「和」を大切にする平和主義者だと私は信じています。初代神武天皇は建国の際に「天の下に住むすべての者が大家族のように仲良く暮らそう」と仰せになりました。また昭和天皇は米国との開戦について、明治天皇の御製「よもの海 みなはらからと思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」(四方に広がる海で繋(つな)がっている世界の人々とはすべて兄弟のように思うのになぜ争いという波風が立ってしまうのであろう)を詠ぜられ、開戦は望まない旨をお示しになられました。

 師匠より「先の大戦では日本の行き過ぎもあったと思う。しかし全て日本が悪いという考えはおかしい」と、戦後の東京裁判で日本は「犯罪国家」のレッテルが貼られてしまいましたが、実際は自衛のため、欧米諸国によるアジア植民地を解放するためという大きな開戦理由も存在していたことを教わりました。若い読者の方々はそのことをご存じでしょうか。

 日本人は天皇と同じように平和を愛し「世界の人々はすべて兄弟」と考えられる民族だと思います。こうした精神性を全人類が持てたなら世界から戦争や内戦はなくなることでしょう。人種差別をなくそうと最初に世界に発信したのは日本です。「世界平和への道」も日本が発信し築きあげていくべきものなのかもしれません。(尼僧 鈴木日宣/SANKEI EXPRESS

 ■すずき・にっせん 1961(昭和36)年6月、東京都板橋区生まれ。音楽が好きで中学では吹奏楽部に入りクラリネットを担当。高校生の時、豊島区吹奏楽団に入団。音楽仲間とともに青春時代を過ごす。

 7年間社会人を経験したあと内田日正氏を師として26歳で出家。日蓮宗系の尼僧となる。現在は千葉県にある寺院に在住し、人間界と自然界の間に身をおきながら修行中。

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