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神々に感謝できる人こそ真の日本人 鈴木日宣

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神々に感謝できる人こそ真の日本人 鈴木日宣

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日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2014年4月2日、千葉県内(伴龍二撮影)  【尼さんの徒然説法】

 すっかり深い緑色に染まった山々。その中にひときわ目立つ真っ白な山ユリが咲いています。二十数年前にこの地に来たころたくさん咲いていた山ユリも今では激減し希少なものとなってしまいました。「今年も咲いてくれたね」と声をかけると、返事をするようにふわっと芳香を漂わせる山ユリ。誇らしげに咲く大輪の花は、凛(りん)として生きることを私たち人間に教えているのかもしれません。

 先月(5月)伊勢神宮に行って参りました。式年遷宮の翌年ということもあるからでしょうか。平日にもかかわらず多くの方が参拝に訪れていました。

 今から約2000年前、第11代垂仁(すいにん)天皇の皇女倭姫(やまとひめ、日本武尊(やまとたけるのみこと)の叔母)が、天照大神が御鎮まりになるのに最もふさわしい場所を求め諸国を巡られました。そして伊勢にたどり着かれたとき「都から遠く離れた地ですが、私はこの美しい国に鎮まりましょう」と天照大神のご神託を受けお祀(まつ)りしたことが伊勢神宮の始まりといわれています。

 常若の伊勢神宮

 私の常住する寺院で仏式の結婚式を挙げられたご夫婦のほとんどが山梨県身延山にある日蓮聖人の御廟所に詣でたあとに伊勢参りに行かれています。「お寺なのになぜ伊勢参り?」と不思議に思う方もおられましょう。実は宗祖日蓮聖人も立教開宗される前に伊勢神宮に詣で「我(われ)、日本の柱とならん。我、日本の眼目とならん。我、日本の大船とならん」との誓願をされているからです。

 伊勢神宮には内宮と外宮があり、外宮に祀られている豊受大御神はお米をはじめとする衣食住などの産業を守護する神様。そして内宮の天照大神は皇室のご先祖であり、日本を守護する日の神様です。20年に一度の式年遷宮は「いつも変わらぬお姿と神のみずみずしいお力の永遠を祈る」という常若(とこわか)の精神をもって1300年もの間、昔より少しも変わらぬ形で行われ、神々は新しいお力を得て日本をそして国民を守護してくださるのです。

 皇室は総本家

 日蓮聖人は「神とは崩御された国主等を生身のように尊崇しているものである。神もまた国王や国の人々にとって父母であり、主君であり、師匠である。もし神を蔑(ないがし)ろにすれば国が安穏であるはずがない。神を尊崇するならば国は三災七難を払い、人々は病気もなく長寿を持ち、後生は人界以上の善処に生まれるであろう」と仰せになっています。日本人は誰でも先祖を遡(さかのぼ)れば皇室に繋(つな)がると言われています。つまり皇室は私たち日本人の総本家にあたるのです。東京の真ん中に位置する皇居には、私たちの総本家である天皇陛下が住まわれていることになります。

 歴代天皇は常に国民の幸せを願ってこられました。そして今上(きんじょう)天皇陛下も国民の幸せと国が平らかであるようにと願ってくださっています。それは天照大神の願いであり、歴代の天皇に伝えられてきている精神なのだとまことにありがたく思います。

 私たちが心から日本国と皇室の繁栄と安泰を願うことにより、私たち一人一人の繁栄と安泰に繋がっていきます。日本を護(まも)ってくださる神々は私たちの目には見えません。しかし神々の存在を信じ感謝できる人々こそ真の日本人といえるのではないでしょうか。

 ≪日本神話は包容性や平和性を表している≫

 皆さんは日本神話をお読みになったことがおありでしょうか。「因幡の白兎(しろうさぎ)」や「海幸山幸」など断片的にご存じでも全体を読んだことがないという方が多いのではないかと思います。

 日本最古の歴史書である古事記、日本書紀に神話が書かれています。「夢物語だ」「何か思惑があって作られたものだ」などという人もいます。しかし事実を裏付けるものが次々と出土し、実証され始めていることをご存じでしょうか。たとえば古事記の編纂(へんさん)で架空の人物とされてきた太安万侶のお墓が出土したり、また大国主命の国譲りに出てくる「天に届くほどの高い宮殿」もその遺跡が出土しています。

 ギリシャを始め世界各国にも神話は存在しています。自国の歴史を大切にするからこそ神話は伝承され続けてきているのです。日本でも同じように神話から日本の歴史は始まっています。海外では教育の中で日本についてイザナギ、イザナミの国生みなどの神話を紹介している国もあるそうです。日本が自国の神話を学べず知らずというのは恥ずかしい話ではありませんか。

 日本神話には包容性、平和性が描かれており、日本人の民族性を表しているとも言われています。平和を愛する日本人の精神が神話にあります。日本人の財産ともいえる神話が歴史教科書に取り入れられる日がくることを切に願ってやみません。(尼僧 鈴木日宣/撮影伴龍二/SANKEI EXPRESS

 ■すずき・にっせん 1961(昭和36)年6月、東京都板橋区生まれ。音楽が好きで中学では吹奏楽部に入りクラリネットを担当。高校生の時、豊島区吹奏楽団に入団。音楽仲間とともに青春時代を過ごす。

 7年間社会人を経験したあと内田日正氏を師として26歳で出家。日蓮宗系の尼僧となる。現在は千葉県にある寺院に在住し、人間界と自然界の間に身をおきながら修行中。

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