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【男子テニス】4強は通過点 錦織、頂点へ「攻撃的スタイル貫く」

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【男子テニス】4強は通過点 錦織、頂点へ「攻撃的スタイル貫く」

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英国・首都ロンドン  男子テニス世界ランク5位の錦織圭(にしこり・けい、24)=日清食品=が13日、ロンドンで行われているランキング上位8人によるATPツアー・ファイナルで準決勝進出を決めた。出場すること自体がアジア選手として初めてという夢の舞台でのベスト4。9月の全米オープン準優勝で世界を驚かせた強さが“本物”であることを証明してみせた。「(準決勝は)厳しい戦いになる。気持ちをしっかり組み立てて臨みたい」と、勝利の余韻にひたることなく先を見据える。錦織にとって4強はもはや通過点にすぎない。

 代役のベテラン相手「打ち抜けた」

 「完璧だった」という最終セットを6-1で押し切り、2時間近い激闘に終止符を打つと、自信にあふれた笑顔でガッツポーズを繰り返した。今年、フルセットまでもつれた試合の勝率は9割超。驚異的な勝負強さを誇る。突然の事態に動じない底力もみせた。

 1次リーグB組最終戦で対戦予定だったミロシュ・ラオニッチ(23)=カナダ=が太ももを痛めて棄権。規定により補欠のダビド・フェレール(32)=スペイン=と対戦し、4-6、6-4、6-1で逆転勝ちし、リーグ戦を2勝1敗のB組2位で突破した。

 「正直驚いた」というラオニッチの棄権を知らされたのは試合開始の約1時間半前。196センチの長身からの高速サーブを武器にする同世代から、小柄ながら粘り強いストロークが持ち味のベテランに相手が代わった。「戦術を変えるのが難しかった」と、第1セットを先取される。

 だが、今季3連勝し世界10位ともはや格下の相手に慌てなかった。壮絶なラリーも覚悟の上で、第2セットは「リスクを冒して攻撃的にいった」。トスの位置を修正したファーストサーブの成功率が第1セットの51%から72%に上がると、攻めに余裕が生まれた。回り込んで放つフォアの強打に加え、ドロップショットを効果的に織り交ぜて反撃。ギアをさらに上げた最終セットは「ミスを恐れず打ち抜けた」。“子供扱い”にラケットを折って興奮する場面もあったフェレールは「ケイはサーブと体力が向上した。一枚上だった」と脱帽するしかなかった。

 王者と「本気の戦い」へ

 A組1位と対戦する15日の準決勝。「(相手は)たぶんジョコビッチになる」と、抜かりはない。全米オープンではノバク・ジョコビッチ(27)=セルビア=を破り、日本人初の4大大会決勝進出を果たしている。今度は世界1位のプライドとファイナル3連覇の栄誉をかけ、雪辱を期す王者との“本気の戦い”になる。

 今季から指導するコーチのマイケル・チャン氏(42)は「ケイは1年フル稼働すれば世界1位になれる」と断言する。「優勝を狙う」と言ってはばからないアジア最強の男は、「攻撃的なスタイルを貫くだけ。自分のテニスの感覚は良くなっている」と自信を漂わせた。男子テニス界に君臨する「ビッグ4」の牙城を崩し世界の頂点を狙う。(SANKEI EXPRESS

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