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【クレモンティーヌのパリ便り】年齢とうまく付き合って人生謳歌
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【クレモンティーヌのパリ便り】フランス人アーティスト、クレモンティーヌさん(提供写真) みなさん、お元気ですか?
秋の深まる休日、パリから車で1時間半の地方都市に愛犬と暮らすパートナーの祖母のバースデーパーティーに行ってきました。102歳になった今でもシャンパンで乾杯し、サラダに仔牛のクリーム煮、そのうえデザートのケーキまで完食するマダムです。ずいぶん前にご主人を、数年前には子供も何人か亡くしている彼女にとって、現在のパートナーは同居するマルチーズ。お散歩に出かける、ご飯をやるなど「義務」と、愛犬との「会話」が生きがいになっているように思います。いくつになっても生きがいを持つことが人生を楽しく生きるコツなのかもしれません。もう50歳だからとか、もう定年だからとか、年齢や概念に縛られることでネガティブにならずに、最後まで自分の人生を楽しみたいですよね。
今日はみなさんに自分の年齢を受け止め、すてきに生きている人のお話をしたいと思います。
御年90歳のフランスを代表する現役女流カメラマンのサビーヌ・ヴァイス。幼なじみのマリオンの母親です。余談ですが、子供の頃、私はとにかくサビーヌのことが怖かったのです。なぜって、私の電話のかけ方が悪かった! 「こんにちはマダム、クレモンティーヌですがマリオンはいますか?」と名乗るところ、「マリオンいます?」としか言わない私を彼女は容赦なく叱りました。その時の凛とした態度に大人の威厳を感じたことを忘れられません。今思えば他人の子供を真剣に叱ってくれるなんて、本当にありがたいことですよね。
何げない日常のワンシーンをモノクロで撮影するスタイルで高い評価を受け続けているサビーヌは、今でも中国やインドなど世界中に撮影に出かけ、展覧会も積極的に開いています。彼女はいつだって自分の仕事を心から愛し、楽しんでいます。次のプロジェクトの話をする彼女が発するエネルギーはとてもポジティブ。「若い頃に比べて体力はないけれど、アイデアだけはどんどん湧いてくるのよ」と少女のような笑顔で語るサビーヌは、今でも男性にモテモテです。数年前に他界した、動物をモチーフとした絵画で名声を得たアメリカ人画家ヒュー・ヴァイスとは「アート」でつながった魅力あふれるカップルでした。2人はいつも何かをクリエートすることに熱中している最高にカッコいい大人でした。
私の両親も音楽や文学を愛し、友人と会うことを楽しみに最後まで人生を謳歌していました。50代で長年の夢だったジャズレーベルを創立した父。私が子供の頃、わが家のサロンはいつもジャズミュージシャンであふれていました。ボブ・ドローやケニー・グリフィン、チェット・ベイカーもいました。彼らが子供のように目を輝かせながら音楽の話をしているのを聞いて育った私は、自然と音楽の世界に入っていくことになります。
モードと文学と人間をこよなく愛した母はいつも友達に囲まれていました。病室だって彼女の手にかかれば「サロン」に早変わり! パジャマ姿なんてとんでもない、おしゃれしてお見舞いに来てくださる友人に、大好きな白ワインのシャブリを振る舞い、うれしそうにみんなの話を聞いていました。
人は誰でも平等に年をとります。年齢とうまく付き合って生きていきたいですよね。