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政治
【衆院選2014】幻の「単独300超」 揺り戻し現象か
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12月14日夜、自民党本部では当選確実になった候補者名の上にバラの花印が付けられ、ずらりと横一線に赤いラインが形成された=2014年、東京都千代田区永田町(ロイター) ≪自民291 公明35 投票率は戦後最低≫
第47回衆院選は15日、全475議席が確定した。自民、公明両党で、参院で否決された法案を再可決できる3分の2(317議席)を上回る議席を獲得し、圧勝した。自民党は12月13日付で追加公認した無所属の井上貴博氏(52)=福岡1区=を加えて291議席、公明党は選挙区で全員が当選するなど35議席だった。
民主党は選挙前の62議席から73に上積みした。維新の党は選挙前から1減の41議席。8議席だった共産党は倍以上の21議席に躍進し単独での法案提出権を確保した。次世代の党(選挙前19)と生活の党(選挙前5)はそれぞれ2議席にとどまった。社民党は選挙前2議席を維持した。
総務省は15日、投票率が選挙区52.66%、比例代表52.65%で確定したと発表した。戦後最低だった2012年の前回衆院選(選挙区59.32%、比例代表59.31%)をともに6.66ポイント下回り最低記録を更新した。
公示翌日の3日から13日までの期日前投票者数は1315万1962人で前回から9.23%増えたが、投票日の14日は大幅に落ち込んだ。
選挙区の都道府県別の投票率で最高は島根の59.24%。2位以下は山梨59.18%、山形59.15%が続いた。最低は青森の46.83%で、徳島47.22%、富山47.46%の順だった。
当日有権者数は1億396万2784人で、うち在外投票の有権者数は10万4320人。在外投票の投票率は選挙区18.46%、比例代表18.87%となった。
≪幻の「単独300超」 揺り戻し現象か≫
自民、公明の連立与党は衆院選で3分の2超の議席を確保し、自民単独でも291議席(追加公認を含む)を獲得した。ただ、報道各社の事前の情勢調査では、自民党は300議席を超えるとされていた。情勢報道で「揺り戻し」現象が起きた可能性が浮かび上がってきた。
報道各社は2日の公示直後から序盤情勢を探り、産経新聞は12月4日付朝刊で「自民300議席超の勢い」との情勢記事を掲載した。毎日新聞や朝日新聞も12月4日付で自民党大勝の可能性があるとの見通しを示した。
その後も報道の傾向に変化はなく、産経が4~7日にFNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した終盤情勢調査で、自民党は331~306議席の可能性があると報じた。
そうした報道で有権者が勝ち馬に乗ろうとする「バンドワゴン効果」が働けば、300議席を大きく上回る可能性もあった。しかし、実際には劣勢と報道された政党や候補者に支持が流れる「アンダードッグ効果」が働いたようだ。
結果的に各選挙区で接戦が繰り広げられ、産経の終盤情勢の分析で自民党優勢とした選挙区のうち、22選挙区で民主党などの野党候補が勝利した。逆に民主党優勢とした3選挙区は自民党が競り勝った。特に愛知では「自民優勢」とされた3選挙区で民主党が議席を獲得。大阪は、自民党にリードを許していたとみられる維新の党の4人が逆転勝ちしている。
自民党優勢の報道で自民党支持者に「気の緩み」が出たとの見方もある。日大の岩井奉信教授(政治学)は「情勢報道のアナウンス効果で『自民党300議席』の情報が有権者にすり込まれ、自民党支持者が『投票に行かなくてもいいや』という気になった可能性がある」と指摘している。
≪10選挙区で2000票差以内≫
各地で“接戦区”が目立った今回の衆院選で、当落の「差」が最少だったのは新潟2区の102票。しかも2000票以内の僅差で決着がついた選挙区は全295選挙区のうち10に上り、2012年の前回衆院選(300選挙区)の8より増えた。
新潟2区は自民党の細田健一氏が7万589票、民主党の鷲尾英一郎氏が7万487票を獲得し、細田氏が辛勝した。鷲尾氏の惜敗率は99.86%で、比例代表北陸信越ブロックで復活当選した。栃木2区の福田昭夫氏(民主)は西川公也(こうや)農水相(自民)を199票差で退け、北海道7区の伊東良孝氏(自民)は鈴木貴子氏(民主)を225票差で振り切った。
2000票差以内で敗れた大半の候補が比例で復活当選する中、山形3区の阿部寿一氏は加藤鮎子氏(自民)に1488票差で惜敗したが、阿部氏は無所属のため比例との重複立候補ができず、7万8384票を獲得しながらも落選した。(SANKEI EXPRESS)