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中国「シャオミ」、ジョブズ氏模倣で世界3位 14年売上高2.4倍に

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中国「シャオミ」、ジョブズ氏模倣で世界3位 14年売上高2.4倍に

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新型スマホ「小米4」を発表する小米科技(シャオミ)の雷軍CEO(最高経営責任者)。黒いTシャツにジーンズのラフな姿は米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏を思わせる=2014年7月22日、中国・首都北京市(ゲッティ=共同)  中国のモバイル端末メーカー、小米科技(シャオミ)の勢いが止まらない。昨年、創業からわずか4年で世界3位のスマートフォンメーカーの地位を獲得。4日には2014年の売上高が前年の2.4倍(135%増)となる743億元(約1兆4400億円)、スマホの販売台数も3.3倍(227%増)の6112万台と驚異的な伸びを記録したことを明らかにした。シャオミは、米アップルなどのスマホとほぼ同じ機能で価格は半額以下に抑える“高品質低価格戦略”で、中国を中心に爆発的な支持を獲得。あまりの急成長ぶりに先行きを懸念する声もあるが、勢いは当分、衰えそうにない。

 ジョブズ氏模倣で世界3位

 「2014年はシャオミにとって重要な節目の年となった。われわれは後発だが、中国のマーケットリーダーになった」

 シャオミの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)の雷軍氏(45)は4日、中国のマイクロブログ「微博(ウェイボ)」など交流サイトにこう書き込むとともに、14年の経営成績を誇らしげに明らかにした。

 2010年4月、北京で産声を上げたシャオミは11年8月からスマホの生産を開始。雷軍CEOは経営哲学はもちろん、製品発表会見での服装や立ち居振る舞いまで、米アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏(1955~2011年)を徹底的に模倣している。

 だが、まねするばかりではない。新型スマホをインターネット限定で販売し、商品PRも交流サイトによる口コミに頼り広告費はゼロといったユニークなコスト圧縮策を断行し、“高品質低価格”のスマホを提供してきた。

 その結果、米調査会社IDCによると、中国のスマホ市場では13年に米アップルを抜いてシェア3位(11%)に。さらに14年には韓国サムスン電子を抜いて1位(14%)となった。世界市場のシェアでも昨年7~9月期には1年前から3.2ポイント伸ばして3位(5.3%)に大躍進を遂げ、サムスン(23.8%)、アップル(12.0%)に次ぐ存在となった。1位を維持したサムスンは前年より8.7ポイントも落としており、これはシャオミの大攻勢の影響と言われている。

 実際、14年7月発表の新スマホ「小米4」は、5インチ液晶画面やソニー製の1300万画素のカメラを備え、機能はアップルの「iPhone(アイフォーン)」並みだが、価格は1台1999元(約3万8600円)と半額以下で、中国の若者が競い合うように買い求めた。

 勢いに乗り、14年12月には、シンガポール政府投資公社(GIC)などの投資家から11億ドル(約1325億円)を調達。企業価値は450億ドル(約5兆4200億円)と評価された。

 懸念する声に「通過儀礼」

 こうしたシャオミの驚異的な躍進ぶりを懸念する声もある。米経済専門テレビ局CNBC(電子版)によると、IDCの金融部門責任者、サイラス・ダルワラー氏は「今回のような売り上げの伸びは、大き過ぎて急激過ぎる」と指摘。ロイター通信(電子版)も、スウェーデンの通信機器エリクソンによる特許侵害訴訟に絡み、シャオミ製品が14年12月、インドで一時販売中止となった一件を挙げた。

 しかし、雷軍CEOはこうした否定的な見方を全く意に介していないようだ。1月4日付米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)に、こうした懸念は新興企業にとって「通過儀礼」だと静観。英BBC放送には「知的財産権問題に直面したインドでも過去5カ月間で100万台のスマホを売った」と豪語し、今後、インドやロシア、タイ、ブラジルといった新興国市場に攻め込んでいく戦略を強調した。(SANKEI EXPRESS

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