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【高校サッカー】「昨年の経験生きた」星稜、悲願の初優勝 森山、延長で2発
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全国高校サッカー選手権決勝で、延長前半に決勝ゴールを決める星稜の森山泰希(右)=2015年1月12日、埼玉県さいたま市の埼玉スタジアム(共同) サッカー全国高校選手権の決勝が12日、埼玉スタジアムで行われ、星稜(石川)が延長で2点を挙げて前橋育英(群馬)を4-2で破り、昨年の決勝で敗れた雪辱を果たして初優勝を飾った。石川県勢としても初制覇。16大会連続25度目の出場だった星稜は1-2の後半19分に原田の得点で同点とした。延長では森山が前半5分と後半終了間際にゴールを奪い、突き放した。
▽決勝
星 稜 4(前半1-0、後半1-2、延長前半1-0、延長後半1-0)2 前橋育英
2-2で延長に突入したのは2-0から逆転負けした1年前と同じ。そこから2点を挙げて突き放した勝負強さが、この1年の成長の証しだ。鈴木主将は「昨年の経験が生きた」と涙をぬぐった。一昨年の4強、昨年の準優勝から、ついに悲願の頂点に立った。
前半は前川がPKで先制して1-0で折り返したが、後半8分と10分の連続失点で一度はひっくり返された。それでも鈴木は「これからだと話した。諦める雰囲気はなかった」と語る。逆転の9分後に原田が決めて落ち着きを取り戻し、延長で森山が2得点。ゴールを決めた3人はいずれも主力として昨年の決勝に2年生で出場していた。
今大会の開幕直前に交通事故で負傷した河崎監督はベンチに入れなかった。それでも決戦を前にしたロッカールームに、メッセージが届いた。「君たちは悔しさを知っている学年。だから必ず日本一を取れる」。熱い言葉に選手たちが奮起。同点弾の原田は「監督に恩返しができた」と満面の笑みを浮かべた。
森山も「日本一を取るのが夢だった」と、感激の面持ち。丸刈りの11番にとって今大会初得点がチームを頂点に導く決勝ゴールに。延長前半の1点目はこぼれ球を拾って蹴り込み、試合終了間際の2点目は豪快なミドルシュートで決め、大一番で点取り屋の真価を発揮した。
豊富な運動量と的確な判断力が持ち味。2トップを組む大田が3試合連続ゴールと勢いに乗る一方で沈黙が続いていた。それでも「勝つことが最優先。パスかシュートか確率が高い方を選択する」と黒子役に徹した。
前回大会の決勝でも先発し、1ゴールを挙げた。しかし、後半30分に交代し、その後にチームは逆転を許した。3年生として「フル出場できる選手になること」を目標に定めた。1年前の教訓を糧に積んだ鍛錬が、苦しい時間帯に花開いた。
リベンジへの強い意志と恩師への思い。2つの大きな動機に導かれ、星稜は栄冠を手にした。(SANKEI EXPRESS)