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撮影中「俺らは何やっているんだろう?」 菅田将暉、森川葵 映画「チョコリエッタ」
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青春の彷徨をみずみずしく演じた主演の菅田将暉(すだ・まさき)さん(左)と森川葵(あおい)さん=2014年10月29日、東京都港区(大山実撮影) 若手実力派の菅田将暉(すだ・まさき、21)と人気モデルの森川葵(あおい、19)が、「自分とは一体何者なのか」と悩み抜き、バイクに乗って自分探しの旅へと駆り立てられるロードムービー「チョコリエッタ」(風間志織監督)でダブル主演を務めた。大島真寿美の同名小説を原作とする本作は、伊映画の巨匠、フェデリコ・フェリーニ監督(1920~93年)の代表作で、やはり登場人物が旅に出ていく「道」(54年、米アカデミー賞外国語映画賞受賞)の製作60周年記念作品と銘打ち、さまざまなオマージュもちりばめられている。
菅田は「この映画は恋愛映画というわけではありません。何かえたいの知れないものへ向けられた熱を帯びています。それが美しい映像で切り取られているんですよ」と出来栄えに満足そう。一方の森川は「監督は『主人公の少女のイメージは私(森川)そのものだから』と自由に演じさせてくれました」と振り返り、本作に持てる力を存分にぶつけたそうだ。
高校生の知世子(森川)が、「チョコリエッタ」と呼んでかわいがってくれた母親を、交通事故で失ったのは5歳のとき。以来、唯一心を許せる存在だった愛犬のジュリエッタも16歳のときに死んでしまい、知世子はますます孤独を募らせていった。そんなある日、学校で所属する映画研究部の風変わりな先輩、正宗(菅田)が知世子を主人公にした映画を撮ることを提案し…。
上映時間は2時間39分と長いが、台本はとても薄かったそうだ。菅田は「僕も森川さんも何も話さず、表情やしぐさで語るシーンが多かったからでしょうね。撮影では積極的にアドリブでつないだというわけではありません」と説明した。当然ながら台本を読んでも分からないことがいっぱいで、「撮影中、俺らは何をやっているんだろう?」といぶかしく思うこともしばしばあった。森川は「こんな映画ができたんだ、と考えると今でも不思議な感じがします」と目を丸くした。
森川のスポーツ刈り姿も見どころの一つだろう。「大島さんは『そんなに切ったんだ』と驚いていました。イメージと違ったのかな? 気合を入れたわけではありません」と森川。菅田は苦笑いを浮かべ、「それは『女性としてそんなに切っても大丈夫なの?』という意味では…」と監督の演出の妙味をすかさずフォローした。1月17日から東京・新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:大山実/SANKEI EXPRESS)
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